よしーの世界

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ザビエルの見た日本   ピーター・ミルワード

2024-12-01 08:00:36 | 

フランシスコ・ザビエルの名は教科書にも登場し、よく知られています。ザビエルはアジアで

布教中にマラッカで最近発見された幾つかの島の話を聞き、その中でも日本人がどの国民より

も知識に飢えていると知り、興味を抱きます。そして1549年に来日し、旺盛な行動力で鹿児島、

平戸、山口、京都を訪れ布教に邁進しました。

 

ザビエルは手紙の中で、日本人は控えめな、度量の大きい国民で、徳と文学を愛好し、学者た

ちすべてに対して敬意を示すと書いています。日本の気候は温暖ながら、ハリケーンや地震の

自然災害が度々起こり、質素な食事、冬の厳しい寒さには悩まされたようです。さらに、しつ

こく質問しに来る者たちが昼も夜も跡を絶たず、解放されることがほとんどありません、と嘆

いてもいます。

 

話の中に、日本人を悩ますことの一つは、地獄という獄舎は二度と開かれない場所で、そこを

逃れる道はないという教えで、彼らは亡くなった子どもや両親、親類の悲しい運命を救う道も

希望もないことに絶望します。ザビエルにすれば神は唯一で、それ以前の歴史は否定されるの

です。

 

日本の僧との討論ではとても効果的にやったので、自分たちが批判し、反駁すると、彼らはぐ

うの音も出ませんでした、と自らの優越性を誇っています。やはり絶対的な善と悪の価値観は

常に敵を造り、白黒はっきりさせるので、多様な価値観を認めることは出来ないでしょう。

 

ザビエルの見た日本   ピーター・ミルワード/松本たま訳     講談社学術文庫

 

 

コメント (2)
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