カッパの独り言

病気をして、ちょっこし人生観も変化。
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手術前日

2010年03月22日 17時13分49秒 | 病とのつきあい
一年前の3月9日。手術の前日。
昼過ぎに入院手続きを済ませて病室に。

病室は四人部屋。同年代の女性が二人いて、かなりホッとする。
正直、年配の人ばかりやと思っていたから。
今思うと、私のがん患者のイメージはずいぶん間違っていた。年齢もその一つ。
私が入院した婦人科病棟には、私と同年代、つまりアラフォー世代の人がびっくりする位いてた。でも、そのおかげで、その仲間たちにはずいぶん支えらた。


手術前日は、いろいろと忙しい。
看護士さんから説明があったり、麻酔科の説明やサインがあったり、お風呂に入った後、体毛を剃ったりおへそのゴマをとったり(看護士さんがしてくれます。)…。
執刀するドクターからの説明もあるし。これは、大抵ドクターの外来が終わってからだから夕方になる。

ただこの辺の段取りは、結構心の準備が出来ていた。
八年ほど前に、子宮内膜症っていうので、一週間入院したことがあったから。しかも同じ病院の同じ婦人科。だから、病室の雰囲気もわかっていた。

今回の手術が人生初の手術じゃなくて良かった。
こう見えて、相当ビビりで、病院、注射嫌いな私は、初めての手術が癌やったなんて、多分耐えられなかったと思う。


麻酔科の説明は、正直感心した。って言うのは、八年前からえらく進歩していたから。
待ち時間には、麻酔がなぜ必要かってことと、手術室に向かって麻酔をかけるまでのシュミレーションビデオが流れいた。
シュミレーションビデオは実際とほぼ同じやったから、結構役に立ったと思う。

麻酔科のドクターからの説明は、マンツーマンでとても丁寧。
「何か不安なことはありませんか?」の問いに、前の手術で苦痛やったことを思い切って相談してみる。

一つは、麻酔の点滴を手の甲から入れるのをやめてほしいこと。
この病院での朝一の手術は、麻酔科の先生が手術室で点滴を入れる。麻酔科の先生は手の甲に点滴を入れるのが基本らしいねんけど、これが後になると痛い。2、3日は、この点滴がくっついているからね。
手術直後は、お腹を切っているからお腹に力を入れて動くことが出来ない。仮に力を入れたとしても、とんでもなく痛い。それから、最低丸一日はベットから起き上がってはいけない。
なので、寝返りを打ったり、姿勢を変えるのには、ベット柵を手でつかんで、腕の力で体を動かさなければいけないので、手の甲も結構使うことになる。

前の時は、二日目に痛みが出るわ、途中で点滴が落ちなくなるわで、針を刺しなおしてもらった。
ちなみに、私は注射とかの針を入れるところは怖くて見たことないんだけど、この時、つい点滴の針を見てしまい、あまりの長さに卒倒しそうになった。
こんな長いもんが血管に入るんか…。
で、この経験を麻酔科の先生に話すと、「基本は手の甲やけど、腕から(点滴が)とれるようだったら、そちらからとりますね。」と言ってくれた。心配事が一つ減った。

それからもう一つ。手術が終わったら、出来るだけ早く体を温めてほしいこと。
前の手術の時、麻酔から覚めた瞬間に感じたこと。
それは「痛い」と「寒い」。

麻酔から覚め、朧気に手術室から病室へ着き、病室てしばく一人で寝かされていた時、寒くて寒くてたまらなかった。手足が氷のように冷えて、「早く誰か温めて!」って思った記憶が、今でも鮮明に蘇る。
看護士さんが来て、寒さを訴えた時に、看護士さんが手を握ってくれた時の温かかったこと。
ま、この時は、38度まで熱が出てたから、寒くて当然だったんだけど。

で、これまたこの経験を麻酔科の先生に話すと、「前手術をした時から比べると、麻酔の技術も、手術室の設備も、とても上がっています。手術室は基本的に寒いのですが、手術台を温めることができます。事前にその対策をとりますね。」
え?手術台って温めることが出来るの?
技術革新とはすごい!

イメージはあまり出来なかったけど、とりあえず、不安を解消してもらえる答えをもらえたのは良かった。
手術前の不安は、一つでも少ないほうがいいから。


それから、夕方に、手術に執刀するドクターの内診、手術説明があった。
大きな病院だから仕方がないけど…、執刀するドクターは手術前日にしかわからない。これは、何とかならないのか、と思う。

8年前に子宮内膜症で入院した時、私は外来で診てもらった先生が、手術してもらった。でも、これはたまたまだったようで、多くの人が、外来で診てもらった先生と違う先生に手術してもらうことになり、動揺していた。

それを見ていたので、今回も手術前に外来の先生に「先生が執刀されるのですか?」と事前に聞いていた。案の定、「わからないですね。」とのこと。
外来の先生だって、まだ数回しか会ったことがないわけだから、この先生と信頼関係が出来ているわけではないけども、前日にいきなり会って、即手術は、正直きついなぁ、と思う。せめて、外来の時に、違う先生になるかもしれないことを言って欲しいなぁ、と思う。

私の主治医、そして、補佐する担当医の先生ともに、女性の先生。
これは、正直、安心した。
この病院の事前説明は、かなり詳しく話してくれるので、その点も、かなりの安心材料だった。

この時に、お腹を開けてみないことには何とも言えないけど、CTで見る限りはそれほど癌が拡がっている様子はないこと、手術では子宮、卵巣、卵管、そけい部からお腹の上の方のリンパ節を取り、おへその上辺りまでお腹を切ること、手術時間は4時間ぐらいを予定しているが、癒着等が激しかったらもっと時間がかかること、化学療法などの追加治療があれば入院が伸びることなどを聞いた。

それから、ここではじめて、癌にはグレードと言って、がんの顔つきを表すものがあることを知った。グレードは、3段階に分かれているらしい。
それまで、癌には、進行度、つまり、初期とか末期とか、そういうものを表すものしか知らなかったから。
私の癌は類内膜腺癌と言って、グレードで言うと1で、比較的顔つきがいいものらしい。高分化型と言って、通常の細胞分裂の速度と比べ、がん細胞の分裂速度がそれほど速くないものらしく、そっちの細胞の方が、性質がいい、つまり、顔つきがいいそうだ。

説明自体はわかりやすく、質問にも快く答えてくれたので、後は、落ち着いて手術を受けるのみ。
いろいろ不安はあるけど、先生に任せるしかない…。


一緒に説明を聞いただんな様、義母が帰り、消灯の夜10時までは、何をしていたのか、何を考えていたのか、今となっては覚えていない。
眠剤を消灯前に飲んで就寝。これも覚えていないけど、多分、それなりに寝たと思う。明日の大仕事に向けて…。