悲劇、将軍の行方
第十五話 [対決]
次郎丸はゆっくり歩いていった。
そして鬼の近くまでいった時、鬼は穴の中から人間が出てきたので驚いた、
しかし出てきた人間が眉ひとつ動かさず自分の方へ歩いてくるではないか、
不思議でならない、
人間は自分の姿を見ては仰天し、逃げ隠れるものだ。
いったいどうゆうことだ?
次郎丸は外に出て、改めてまじまじと鬼をみた、、
体は真っ赤で筋肉は隆々と盛り上がっている、
次郎丸の四倍はあるだろうか、
頭には布が巻かれ、こめかみの辺りからは二本の角が天を目指していた。
おおきな手には鋭い爪。
まさに、鬼だった。不思議なことにさほどの恐れがなかったのは次郎丸が類まれない強い心の臓の持ち主だからだろうか?
次郎丸と鬼は向き合ったまま時間は止まっていた。
次
[人間の言葉はわかるか?]
鬼はゆっくり頷いた
次
[俺はこの山の下にある国の将軍、次郎丸である]
[お前は鬼か?]
すると鬼はその場に座り込み、なんと手を付いて、
[はい、オラは多分鬼だと思います、でもほかの鬼を見たことがないので本当に鬼なのかは解りません、
名前はアカといいます、、]
と、低く唸るような声でいった。
次郎丸はあっけにとられた、なんと鬼が手を付いて自分に向かいあっている。
しかも自分は鬼かどうか解らないという。
次郎丸はつづけた
[俺がここに来たのは何故かわかるか?]
鬼
[はて~、ここに人間が来るのは大変でしょう、まず来ようともしないはず、一体なぜですか?]
次
[俺の兄、一郎丸を知っているか?]
鬼は悲しそうな顔になって
[一郎丸様ですか、
あぁ、一郎丸様~]と泣き出してしまった。
一体、どうゆうことだ
つづく
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