鉄マニズム
ホイドーズ鉄マンの日々
 



悲劇、将軍の行方
第十七話 [三ッ目の赤鬼]

嵐の前の静けさ、まさにそれだ。

次郎丸と仁太はこれから起こる事を容易に予測できた。

アカは荒い鼻息で、ふー、ふーと二人を見ている。

額の目玉はギラリとひかり、口からはよだれをダラダラ垂らしていた。

次郎丸が鬼神槍をにぎり返した時である。

腹を決めた仁太が[やい!この鬼畜生!この俺が、、、]

仁太はそのつづきはなにを言おうとしたのだろうか?

仁太の言葉が最後まで行く前に、それはアカの大きな唸り声によってかき消された!

刹那。

アカの大きな手は仁太をわしずかみにしそのまま口に運んだ!

そのまま仁太の足をまるでスルメでもかじるように、喰いちぎった!

そのまま仁太を放り投げ、仁太の足を食らいながら、[次はお前だ!]と言わんばかりに次郎丸を睨んだ!

仁太は左足を失い横たわっている。
断末魔ひとつ上げる間もなかった。

[仁太!]
次郎丸は叫んだ!
仁太はびくともしない。

次郎丸はゆっくり鬼神槍をアカに向けた。

つづく

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