鉄マニズム
ホイドーズ鉄マンの日々
 



悲劇、将軍の行方
第十六話 [鬼の言い分]

鬼(つぎからはアカ)は泣きに泣いた。

そして
[一郎丸様を殺めたのはオラです。
あなた様は弟の次郎丸様、オラを殺しにきたのですね]

[覚悟は出来てます、おぉ、それは(鬼神槍)どうぞそれでオラを成敗してください。]

いきなりこの鬼、自分を殺せという

なぜだ?


[やはり貴様が殺したのか?
しかしその態度、どうにもこうにも府に落ちん、いったいなにがあった?なぜ兄を殺した?]

問うてみた。

アカ
[実は一郎丸様は数年前より、ちょくちょくここへ来ておりまして、、あの~、]

その時、仁太が
[貴様~!]
と、たいまつに火を付け、鬼めがけて飛び込んだ!

仁太には鬼が今にも、牛が突進するが如く次郎丸を襲うように見えたのである。

隠れていた仁太の一世一代の大舞台である!


たいまつはアカの頭に振り落とされた。
その火は頭に巻き付けた布に移り激しく燃えた。


[次郎丸様、大丈夫ですか?]


[仁太、なんて事を][鬼は何か話そうとしていたんだぞ]

しばらくするとアカの巻いていた布が焼け落ちた。

さっきまで[あち~あち~]ともんどりうってたアカが静かになった。

すると空がだんだんと薄暗くなり、風もやんだ、

火山火口の溶岩までも静かになった。

まるで誰かの怒りにふれないようにしているかのようだった。


今、次郎丸と仁太の前にいるのは、先ほどのおとなしい鬼ではなく、

全身から怒りの気が満ち、体も一回り大きくなった、

そしてなにより、布の焼け落ちた額にはおおきな目玉が!!

[岩木岳 三ッ目の赤鬼 アカ]

が立っていた。


つづく

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