鉄マニズム
ホイドーズ鉄マンの日々
 



悲劇、将軍の行方
第二十三話 [英雄]


[どうした?娘。]
みつこ
[、、、その時、一郎丸様は私を、
私の事を、、


私は辱めを受けました。。]

[な、なに?]
みつこ
[あのとき一郎丸様は、いう事を聞かねば鬼の住処を民にばらし、攻め立てるぞと、、]

[その方なにを言う、我が兄は将軍だぞ!国の英雄だぞ!]
みつこ
[私にとっては国の英雄など関係ありませんが、あえていうならば、英雄と言う方がいるのならば、
それはアカ様、姉達の魂を癒しつづけ
そして私の事を育ててくれました。]


[俺は信じぬぞ。]

みつこ
[アカ様はその昔、一郎丸様に角を取られ、それ以来、人を恐れて暮らして参りました。

それなのに人の子である私達を守ってくださっていたのは、慈悲の心があってこそ、
そのアカ様が平穏に暮らせるならばと私は唇を噛んだのです。]

[しかし、それから一郎丸様は度々くるようになったのです]

[そして、アカ様がいないのを見計らって、、
]

[あの日はアカ様が居るときに一郎丸様が来ました。
そして
アカ様にこれまでの事をはなし、私を連れていくと、]

[一郎丸様はアカ様が心の優しい、おとなしい鬼と知っていていて、私を連れていこうとしたのでしょう、]

[その時、私を掴んでいた一郎丸様がふいに居なくなりました、私はいったいなにが?と思いあたりを見回すと、アカ様の手の中でぐったりと、うなだれている一郎丸様がおりました。

いままでみたこともない怒りと悲しみに満ちた表情のアカ様と、]

次郎丸は混乱していた、
まさか、まさかあの敬愛する兄が
そんな事する訳が、
しかしそれが本当であれば、なんとも悲しく、悔しく、

くそっ!

次郎丸は地面を握りつかんだ。


次郎丸とみつこの間に沈黙が続いた。

仁太は全てを聞いてただただ泣いていた。

すると穴の奥から一人の老人が歩いてきた、
仁太が夢の中であった老人である。

みつこ[お爺さま、、]


[、、、]


[、、、]

老人は三人のそばにくると静かに話し始めた
[鬼には鬼の言い分、人には人の言い分がある。

アカは自分が鬼である事を悩んでおった。そして恐ろしい魔物にする額の目の事も、
それをふさいだ一郎丸様を恐れもしたが感謝もしておったんじゃ、

一郎丸様を殺めてしまった時も目は出ていない。
あの時は鬼としてではなく、みつこを愛する一人の男としての行動じゃったんじゃろ、、

一郎丸様も一国を預かるものとしての苦悩もあったんじゃろ、そうすれば表と裏の顔は出てくるものじゃ]


[アカには自分を魔物にする目があった、
しかしそれは人の心の中に誰もがもっているものでもある。
それが開くが開かぬか、
開かぬように生きていくのが人の世かもしれんのう、、]


老人はすうっと消えていった。

つづく


次週というか、明日の朝

いよいよ最終回!

どうする!どうなる!次郎丸?

仁太は出血多量じゃないんですか?


そしてなんと、美しい鬼の娘[みつこ]のお腹の中には!!

え~!終われんの?

悲劇、将軍の行方
最終回[将軍の行方]
明日の朝だぜ!おたのしみに!

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