鉄マニズム
ホイドーズ鉄マンの日々
 



悲劇、将軍の行方
第十九話 [鬼の話]

子供たちは
[おじいちゃーん]とかけよった
仁太も一緒についていった

すると老人は
[仁太かい?]


[なぜ俺の名前を?]


[わしゃなんでも知っておる]


[はっ、もしや仙人様ですか?]


[さて、どうじゃろうな、さまざまな呼ばれ方をするがの、やまじじい、やまびこ、岳仙人、、
まぁ、ただのじじいじゃよ。霞も喰わねば、雲にものらん]


[あの~]


[アカの事じゃな]


[まだ何もいってませんが]


[わしゃなんでもしっておるといったじゃろ]

そして話始めた。
[アカはの、むかしこの国にまだたくさんの争いごとがあった時にうまれたんじゃ、沢山の人が死んでな、その恨みつらみが鬼となったんじゃ

三ッ目の赤鬼が生まれたんじゃ]


[やはり三ッ目の]
仁太は子供らを見た
するとさっきまであそんでいた子供たちは、もうどこにも居なかった。

老人はつづけた
[その頃のアカは暴れまくっていてな、腹が減れば馬やら熊やら人まで食った]

[どうにもこうにも困り果てたわしは、この国一番の槍の使い手と謳われた一郎丸様にアカの成敗をお願いしたのじゃ]

[わしはアカを静める方法は知っておるが、それが出来るのはやはり、腕が立つものでなくてはな]


[そんで?]


[ん?そんで?
一郎丸様は見事にやってのけた、見事じゃったよ。]

[アカの邪気の源は額の目じゃ、そこをふさいでしまえばおとなしくなる]

[そこでわしが石蓋を作り一郎丸様がそれを鬼の額の目に釘で打ち付けた。]

[すると、アカは大人しくなり、二度と人前には出ません、と山奥に隠れてしまった。

一郎丸は殺した方がよいのでは?といったが、あれもあんな姿で生まれてきたくはなかっただろう、
元はといえば人間の恨みが作り出したもの、ひっそり暮らすというのであればそうさせてやりたいと思ってな、
そこからわしはずっとここでアカを見てきたんじゃ。]

[それからのアカは本当にひっそりと、草木を食べながら暮らした、

しかし、額の目の邪気はすごくての
石蓋を押し上げて、でようとするのか、石蓋はどんどん膨らみ三年もたった時には立派な角になっていた。]

[それでも、大人しかったのでそのままにしておいたのだが、一郎丸様が様子を見にひさかたぶりに訪ねてきた時じゃ。
一郎丸様はあの角に魅せられたのでしょうな、その日の夜にその角を切り落としてしまった。

するとまた額の目が現れた。まだその目が開かぬ内に一郎丸様はアカの頭にきつくきつく布を巻き付けたんじゃ。]

それからアカはひどく怯えての、さらにさらに山奥へにげていったんじゃ

それから風の噂では一郎丸様はその角で槍をこさえ、様々な武勇を残したと聞いておる。

仁太は思った。
[鬼神槍だ、、]

つづく

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