悲劇、将軍の行方
第二十二話 [みつこ]
娘は[みつこ]といった。
次
[お前は、、生きておるのか?]
なんだか自分でも変な問いかけだとはおもったが、
みつこ
[はい、私は生きております、人間です]
次
[お前は何者だ、なぜここにおる]
みつこ
[私は十何年も前に、姉達と一緒にここに来たのです。]
次
[鬼に捕らわれていたのか?]
みつこ
[いいえ、とんでもございません
私達は助けていただいたのです]
[昔、大きないくさがありました。私達の両親はその時に殺され、なんとか生き延びた私達はほかの子供達と一緒に山の中に隠れたのです]
[しかし小さな子供達だけではどうしようもなく、山の中で一人、また一人と飢え死にしていきました、私はその中の生き残りです]
[その私達の事を見つけたアカ様は、可哀想に思い、みんなのことをここに運んで弔ってくれたのです、]
[その時、私だけが息を吹き返したそうです]
次郎丸はみつこに連れられて穴の中に入った。
よく見ると小さい子供の骨がきれいに並べられてある。
みつこは
[それからずっとアカ様は姉達の霊と遊んだり、お話をしたりと慰めてくださったのです]
次
[そうだったのか]
[しかし、なぜそんな心優しい鬼が我が兄、一郎丸を殺さなければならぬのだ?]
みつこ
[それは、、、]
[三年ほど前でしょうか、私はアカ様と山で木の実をとって、ここに戻ってきました、アカ様は魚をとってくると、お一人で川へいったのです]
[その後、一郎丸様が来られたのです
私達が山の中にいたのを偶然みつけたと、そして、、
いきなり私は、、
私は、]
みつこはひとすじの涙を流した。
つづく
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