ある日 看板を取り付けていた日 家の愛犬と同じ犬種の子を散歩
させている 20歳代位の女性が立ち止まった。
ワンちゃんが あまり可愛かったので ニコニコして愛想を振りまいたら
ワンちゃんのリードを 微かに引き(変なおっさんがいるから 早く行こう!)
とばかりに 顔を引きつらせて 逃げるように消えた。
「ガッビーン!」
自分では まだまだ 若いつもりで居たが 他人の目は そうは行かぬ
のだろう・・・まあ、確かに20歳代の子供が居ても おかしかァーない歳
なので 彼女にしてみりゃあ そこに 突っ立って ニヤニヤしている
白髪頭のおっさんは 決して ガールハント目的の異性とは違い
見ず知らずの 唯の変人。 気色の悪い存在に写ったのかも知れない。
今迄、他人様からの第一印象の評価が良いのが自慢だったのだが
今回、かなり凹んでしまった。
初老と表現される歳から 可なり経ったので まあ 仕方が無いとは
思うが 一応 格闘技経験者としては 中高・大学生を相手にしても
まだまだ行けると高を括っていただけに 若いとは云え 異性が
自分の事を「ジジィ」と認識した事には 夕焼けを見つめ 深いため息を
つき 黄昏でしまったのだ。「サラバ!青春!さらば涙!」
そんな事を夕食のひと時に話していたら 娘が一枚の写真を持ってきた
私: 「誰!?この おっさんは?」
息子: 「父さんやろ・・・」
私: 「・・・・俺だ。」
思い込みとは このこった・・・
普段 洗面所ドレッサー越しに胸から上の自分しか見ていない人間と
しては 全身を見る機会が余り無く 出っ張った腹は醜い中年親父の
象徴だということを忘れているし顔が若いからって 全身を見て判断しな
けりゃあ 行かんということを忘れている。思い込みココに 極まれり。
ミクロ的に物事をとらえず マクロ的に考える視点はなかなか身について
いないものだ。
此間も 顔だけ見て おっさんだと思った人間が おばさんだったりして
ヒャリとさせられた事があった。
娘と散歩していて トある人間とすれ違い様 ぶつかりそうになり
「ほら!おいちゃんにぶつかるよ!よそ見して 歩いちゃだめ!」
と 我が子に声をかけるや否や 体つきは おばはんだったので
「イヤ ち・違う!」と叫んだが 最早時既に遅し!
おいちゃん顔のおばはんは みるみる怒り顔で 顔は膨れ上がり
顎を突き出し クエみたいに 下唇を突き出し いかりや長介氏の
女装がマダましだと思わせるほどの様相を呈していたのだ。
一期一会 そのまま 天空を睨んだまま 唐津くんちの大魚の山車が
怯え小さく震える 私ら親子を カスメ過ぎ去っていったのであった。
(女性の頭髪は刈り上げちゃあ 行かんのだ あれは 若い美人がやるから 様になるのだ)
話は相当それっちまったが 私もそろそろ良い歳なので 他人様が見て
どう映って見えるのかを気にせないかん!と 深く反省致した次第!
PS 此間 車の下に潜り込んで 仰向けになって 作業していたら
叔父貴が通りがかり 工場にゃ入らず道端から私の名前を連呼
していた・・・「〇〇!オイ!〇〇って!」
ガマ蛙が 車にひかれたみたいで かっこ悪かったので 苦笑して
いたのだった・・・