ねこなんて大っ嫌い

ってずっと思ってたのに。
死にそうな子ねことの出会いが生きる力を与えてくれました。
バツ2でも結構幸せにやってます!

息子へ 第2話 (ザルで水を汲む如し)

2019-04-13 05:55:55 | 「息子へ」
息子が結婚して家を出る時に、私から息子へのはなむけの言葉として持たせた「息子へ」という一冊の小冊子。そこから抜粋した、今回は第2話(ザルで水を汲む如し)をご紹介したいと思います。

これまでの投稿は、順不同となっておりますが、この先は、時系列で投稿して参るつもりでおります。


第1話を未読の方はこちらからどうぞ
「息子へ」第1話 (偶然の幸運)




覚えているかな。
小学1年生の時、
お姉ちゃんのお友達の家で、
「子供銀行のお金」を
盗ってしまったこと。




「人の物を盗ってはいけない」
「嘘をついてはいけない」
「人を傷つけてはいけない」




子育ての指針は
ごくごくシンプルだったのに、
正にビンゴ。
本当の意味で初めて
自分の子育てを疑った時だった。




泣きながら謝るおまえを
謝ることだけでは
どうしても許すことができなかった私は、
夢中でおまえを引きずりながら
交番へ向かった。
「人の物を盗るということは泥棒だってこと」
「泥棒は警察に捕まえてもらって牢屋に入ることになってんの」
「うちに泥棒をおいておく訳にはいかないの」





「ごめんなさ~い。ごめんなさ~い。ごめんなさい~。ひぃ~」





道行く人が、
どんな目で見ているかなど
どうでもよかった。
この機を逃しては
どうしてもいけないと
必死だった。
たぶんあの時、
鬼のような顔していたんだろうね、私。





交番が近づくにつれ、
実際問題、私は困り始めました。
だって、
おまわりさん、捕まえてくれないでしょ。




何とかして前に進むまいと
足を踏ん張り、
顔を引きつらせて
泣きながら謝り続けるおまえは、
もう充分に恐怖心を味わっている。


立ち止まり、
しゃがんでしっかりとおまえの目を見た。


「本当に悪いと思っているの?」

「はい」

「もう二度としないって約束できるの?」

「はい」

「はいじゃわからない。自分の言葉でちゃんと言いなさい。」

「はい。もう絶対にしません。約束します。」



「・・・そうか、じゃぁ、どうしようかな。
今回だけ、警察に言うのはやめてやろうかな。」



ものすごいスピードで
何度も首を縦に振ったおまえは、
ほっとしたのか
前にも増した大声で
また泣き出した。




「子育ては、ザルで水を汲む如し」
目では認められないほど
少しずつしか溜まらないけど、
汲み続ければ
いつか瓶(カメ)を満たす日がくる。




第2話はちょっと短めです。ですが、この事件をキッカケに、自分の子育てが本当に正しいのか、疑問を持ち始めます。今考えたら、正解などというものは、実はどこにも無い。親も子供も、百人いれば百通り。お互いのタイプによっても、組み合わせによっても、その答えは千差万別なはず。

そして親などと言っても、所詮はただの人です。己の力量を知り、こういったことを繰り返し、積み重ねていくことで、親は、子供によって親にして貰うんだ・・・ということに気付いたのは、ずっとずっと、ずっとあとのことでした。


既投稿の記事を貼ってみました。宜しかったらご覧ください。
「息子へ」第3話(たこ食った事件)
「息子へ」第4話 (目から鱗)
「息子へ」第5話(父親みたいな人)


でも別に、そんなに怒ってなくても
鬼みたいな顔してるけど~って、
親友Cさんには言われちゃったけど~ ほっとけや!笑
2つのボタンをぽちっとして頂けると、と~っても嬉しゅうございます


  
ポチ、ありがとうございました~

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