この1週間は秋が早くもおとづれたのかと思える程に涼しい。朝の散歩が
快適だが来週はまた夏の暑さに戻るようだ。秋は読書の秋と言われているが、
図書館から借りて来た本で、最近読んでいるのが山崎豊子の大地の子である。
この小説の1冊目は、満州の奥地の開拓団に長野県から移住してきた両親
の子供の長男が第二次世界戦争の時にソ連が突然日本との不戦条約を破って
攻めて来た時に、両親が殺害されるが、長男と妹は、中国人に拾われ、孤児
として、満州の首都である新京(現在の長春)で、その後親代わりになる
小学校の先生に育てられるのである。この長春は私が5歳で、薄っすらと
憶えているが終戦になり、ソ連兵が日本人町の社宅に土足で入って来て、
貴金属などを探しもっていったのである。この町の様子をこの本では、
はっきりと記述していることに驚いた。私の社宅の前は、公園の向こうに
レンガ造りの役所の長い建築物あったが、終戦後に中国で起こった内戦で
昭和21年の8月ごろまでは、何とか蒋介石の国府軍がたてこもっていたが、
毛沢東の八路軍が一夜で、新京から国府軍を追い出してしまった。この時
の戦闘で、飛行機から白いパラシュウトが投下される様子は、私の記憶と
同じ光景をこの小説が書いていた。この小説は、その後戦争孤児の生涯
として記述されているが、まずこの1冊目で興味が一段と強くなった。