観光振興に力を入れている県
魅力度ランキングの上位県、沖縄県は観光が唯一の産業、力を入れているのが分かる。
都市の魅力度で1、2位の函館市や札幌市を有する北海道は早くから観光振興に力を入れている。
東京都、大阪府、福岡県は大都市を抱えているので、それだけで集客力がある。
歴史遺産の宝庫である京都、奈良は、雄大な自然と善光寺を連想させる長野県、今年3月の北陸新幹線開業に伴い、沿線の富山県・石川県等の情報接触度が上昇したが、石川県と富山県の順位の差は、観光の振興に対する取り組みの差なのだろうか。
6月に2016年5月の開催が決定した伊勢志摩サミットに関連し、三重県、世界文化遺産に登録された軍艦島のある長崎県が魅力度を上げている。
【都道府県と市区町村の魅力ランキング】
下の表は、株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、社長:田中章雄)が国内1000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全77項目からなる調査を実施した「地域ブランド調査2015」による「地域ブランド調査2015 魅力度ランキング」に観光振興条例制定の有無、年月を付記したものである。
【観光振興条例を制定した道府県】
観光庁の資料によると、平成25年4月現在、23の県が都道府県の観光振興条例を制定している。
沖縄県 「沖縄県観光振興条例」(昭和55年3月1日施行)
北海道 「北海道観光のくにづくり条例」(平成13年10月19日施行)
高知県 「あったか高知観光条例」(平成16年8月6日施行)
長崎県 「長崎県観光振興条例」(平成18年10月13日施行)
広島県 「ひろしま観光立県推進基本条例」(平成19年1月1日施行)
岐阜県 「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」(平成19年10月1日施行)
島根県 「しまね観光立県条例」(平成20年3月21日施行)
千葉県 「千葉県観光立県の推進に関する条例」(平成20年3月28日施行)
愛知県 「愛知県観光振興基本条例」(平成20年10月14日施行)
富山県 「元気とやま観光振興条例」(平成20年12月22日施行)
熊本県 「ようこそくまもと観光立県条例」(平成20年12月22日施行)
新潟県 「新潟県観光立県推進条例」(平成21年1月1日施行)
鹿児島県 「観光立県かごしま県民条例」(平成21年4月1日施行)
徳島県 「もてなしの阿波とくしま観光基本条例」(平成21年6月25日施行)
岩手県 「みちのく岩手観光立県基本条例」(平成21年7月1日施行)
鳥取県 「ようこそようこそ鳥取観光振興条例」(平成21年7月3日施行)
神奈川県 「神奈川県観光振興条例」(平成22年4月1日施行)
和歌山県 「和歌山県観光立県推進条例」(平成22年4月1日施行)
愛媛県 「えひめお接待の心観光振興条例」(平成22年4月1日施行)
宮城県 「みやぎ観光創造県民条例」(平成23年4月1日施行)
三重県 「みえの観光振興に関する条例」(平成23年10月20日施行)
山梨県 「おもてなしのやまなし観光振興条例」(平成23年12月22日施行)
埼玉県 「埼玉県観光づくり推進条例」(平成24年3月27日施行)
観光振興に力を入れているのか?
茨城県内市町村はランク外
下の表も、株式会社ブランド総合研究所がまとめたものである。
茨城県が毎年魅力度ランキング最下位に低迷しているのは、他県の人を惹きつけるインパクトある観光地が無いからである。
それは県内市町村にも当てはまる。市区町村の魅力度ランキン上位100の中に茨城県内の市町村は一つもない。
東京・品川から常磐線が直通となったのでアクセスは便利になったが、日立市、水戸市、土浦市は衰退のイメージが漂う。
つくば市は秋葉原から結ばれて人口流入が著しく、筑波山と科学技術の町とイメージできるが筑波山と鉄道の駅が離れているのが難点である。
茨城県内の市町村も総じて魅力度が低い。
他の都道府県県の観光客を惹きつけるインパクトのある観光の目玉を提示できない行政と保守的な県民の努力不足も多分に起因しているようだ。
魅力的な名所旧跡、自然景観はいくらでもあるが、それを売り出す努力が足りないのだ。
沖縄県の「沖縄県観光振興条例」(昭和55年3月1日施行)には「我々は、長期的かつ総合的な視点に立って本県の観光の進むべき方向と目標を明らかにし、その実現に努めなければなりません。ここに、我々は、観光の意義と本県の特性を深く認識し、観光の振興によって真に美しい豊かな郷土の創出に最善の努力を払うことを誓い、この条例が制定されました。」とある。
長期的な視点に立って、茨城県の特性を深く認識し、真に美しい豊かな郷土の創出に最善の努力を払う姿勢は茨城県にも必要である。
魅力度ランキングが最下位であっても観光振興の条例がない。一事が万事という。努力不足を物語っている。
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