ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。

つくば市認定地域民俗無形文化財がまの油売り口上及び筑波山地域ジオパーク構想に関連した出来事や歴史を紹介する記事です。

高須芳次郎著『水戸學精神』 第九 藤田東湖の思想と人物 (一)東湖の修養時代 ~ (四) 烈公の左右に侍して政治上に貢献 (五) 烈公を輔けて法政改革

2022-08-31 | 茨城県南 歴史と風俗
   高須芳次郎著『水戸學精神』 第九 藤田東湖の思想と人物 (一)東湖の修養時代    水戸の人物中、ひろく、海の內外に知られてゐるのは、藤田東湖である。彼は、幽谷の次男で、水戸上町梅巷(梅香)に生れた。諱は彪、字は斌郷、幼名を武次郎といひ、後、虎之助と改めた。    彼は、父幽谷の英資を享け、且つその薫育のもとに成長したから、夙に飛躍を総すべ き素質を持っ . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』 第八 水戸烈公の思想と人物  (一) 烈公の時代 (二) 烈公の政敎革新 (三) 烈公の對外策 (四) 烈公の文敎-新

2022-08-30 | 茨城県南 歴史と風俗
 高須芳次郎著『水戸學精神』           第八 水戸烈公の思想と人物    (一) 烈公の時代  〔水戶政救學の成立期•完成期、    義公らの精神的遺產を顯揚した時〕 水戶で、文壇、學界の人材が多く出たのは、烈公(齊昭)の時代である。蓋し義公の時代は、水戶史學成立前期であり、文公(治保)の時代は、水戸史學成立後期であると 同時に . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第六 藤田幽谷の人物と思想 (九) 幽谷の對外策 (十) 教育家としての幽谷  

2022-08-27 | 茨城県南 歴史と風俗
高須芳次郎著『水戸學精神』  第六 藤田幽谷の人物と思想 (九) 幽谷の對外策 〔対外硬の考え〕 その後、幽谷は、外交國難排除について、始終、心思をつくし、その對策に關し、率直に建言しようとした。が、當局では、平地に波瀾を起すやうに考へ、一向、幽谷の爲さんとするところに共鳴しない。かうして、幽谷はその對外硬の精神を實現することが出來なかった。 唯せめてものこととして、聊か幽谷自ら慰むるところがあ . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第六 藤田幽谷の人物と思想 (五) 幽谷の育英事業及び修史 (六) 幽谷の藩政に對する貢獻 (七) 幽谷が憤慨した外人の跋扈 (八) 東湖に吿げた幽谷の胸中

2022-08-26 | 茨城県南 歴史と風俗
高須芳次郎著『水戸學精神』      第六 藤田幽谷の人物と思想       (五) 幽谷の育英事業及び修史   爾來閉居三年の後(寛政十一年(1799年)十二月)彼は、潮く赦に逢った。やがて元の如く、彰考館勤務となり、編修事務に勵精した。それは、二十六歲の時である。 その後、二年の日子は、夢のやうに過ぎた。 やがて享和二年(1802年)、二十九歳になると、學舍を作って、青藍社 . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第六 藤田幽谷の人物と思想 (一)天才と稱せられた幽谷 (二) 文名一時に揚る (三) 幽谷時事を憂ふ (四) 幽谷と「大日本史」  

2022-08-25 | 茨城県南 歴史と風俗
  高須芳次郎著『水戸學精神』   第六 藤田幽谷の人物と思想      (一) 天才と稱せられた幽谷 〔幽谷、東湖の父子は水戸の誇り〕 水戶政敎學の土臺をほぼ作った藤田幽谷は、大西郷を心服せしめた藤田東湖の父である。かく傑出した父、傑出した子を合せ見るといふことは、藤田家の誇りたるのみならず、また水戶の誇りである。    幽谷の生涯は、東湖ほど . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』 第三 水戸義公の思想と人物  (三) 大義名分主義による「大日本史」(四 )義光の一生 

2022-08-24 | 茨城県南 歴史と風俗
  高須芳次郎著『水戸學精神』                第三 水戸義公の思想と人物   (三) 大義名分主義による「大日本史」    義公が、その一生中に為した仕事は、いろいろあって、政治上においても目ざましい改革を斷行している。この一事についても亦傳ふべへきことが少なくない。けれども彼の生命を不朽ならしめたのは、その文化事業に、精沖を打ちこみ、「大日本史』を編纂した事によるところ . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第三水戸義光の思想と人物(一)水戸學の源流(二)義光の學風・思想  

2022-08-23 | 茨城県南 歴史と風俗
   高須芳次郎著『水戸學精神』 第三 水戸義公の思想と人物  (一)水戶學の源流     〔朱舜水の「崇儒」の考へ、經世實用の學〕 水戸學の源流について考へるとき、當然、念頭に浮んでくるのは、水戸義公及びその實師、朱舜水の二人である。この二人あって、始めて水戶學が誕生すべき機像を得ると 同時に、しっかりした基礎をも据えたのである。勿論、義公が主たる地位にを . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第二 水戶史學の特質 (四) 吉野朝について (五) 春秋的筆法(六)大義名分の活用

2022-08-22 | 茨城県南 歴史と風俗
高須芳次郎著『水戸學精神』         第二 水戶史學の特質    (四) 吉野朝について    以上、山陽は、神器の眞僞といふことについては何ら考察してをらぬが、彼の根本精神は、大義名分主義にちかいものがある。後醍醐天皇は、覇政を斥けて、皇政を振ひ興し、皇室において、文武の大權を統一しようと思召されたのであった。即ち名正しく、義正しく、國體精神を鮮明に發揚なされた。この意味において、大義名分 . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』 第二 水戶史學の特質 (一)大義名分の精神 (二)「大日本史」編述の苦心 (三) 三大特筆の意義 

2022-08-21 | 茨城県南 歴史と風俗
高須芳次郎著『水戸學精神』         第二 水戶史學の特質  (一)大義名分の精神     一般に知らるるやうに、尊皇主義において、時代に先駆した水戶義公の意圖により、『大日本史』は生れた。それは、当時において、最も新しい史書である。それはまだ何人もが發聲しない理想を以て進まうとした新著述である。 また或る視點からすれば、皇道精神を理解するものが諸侯中にさへ少かった時代の啓蒙書でもある。が、 . . . 本文を読む

江戸時代の服飾文化・藍染めとガマの油売り口上

2022-08-20 | ガマの油口上 技法
      つくば市神郡の蚕影神社の絵馬  大道芸、ガマの油売リ口上    ガマの油売り口上の冒頭に「さあさあ お立ちあい、ご用と お急ぎでなかったら、ゆっくりと聞いておいで。遠出山越え笠の内、聞かざる時には、物の出方、善悪、黒白(あいろ)がトント分からない。山寺の鐘がゴォーン、ゴォーンとなると雖も、童子来たって 鐘に撞木を当てざれば、鍾が鳴るのか、撞木が鳴るのかトン . . . 本文を読む

〔技法〕第19代 永井兵助 吉岡名人の口上演技に学ぶ

2022-08-20 | ガマの油口上 技法
第19代 永井兵助 吉岡名人に学ぶ  吉岡名人のガマの油口上は、見る者をして“筑波山に伝承された “ガマの油の口上、これか!” と納得させるものがある。その口上演技には軽薄なアドリブは一切ない。 見る者に媚、諂う言葉や仕草もない。見ている者が笑うことも声を出すこともない。皆、ジィット聞き惚れている。その場には、凛とした空気が漂っている。名人の口上演技に触れると、 . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第一 水戸學概説(六)水戶學の中正公明の態度と社會生活  

2022-08-20 | 茨城県南 歴史と風俗
(六) 水戶學の中正公明の態度と社會生活  〔神道と儲救との調和〕   茲に水戸學派の獨自の考へともいふべきは神道と儲救との調和を可能とし、國學一派の如く、儒教排撃を行はぬところにある。國學一派は、一切支那的な存在を不可とし、儒教のうちに、易世革命の考へを含むことを非難したぱかりでなく、兎角、こちたき理窟にこだはり、空文虚辞に流れることを罵つた。それは、勢ひ . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第一 水戸學概説 (五) 水戶學の大成と中心人物 

2022-08-19 | 茨城県南 歴史と風俗
高須芳次郎著『水戸學精神』    第一 水戸學概説   (五)水戶學の大成と中心人物   椎ふに、水戶學の大成は、一面から見ると、西力東漸の剌軼によるところが少くない。 國學の大成は、排支那文化・排支那精神を有力な動因としたが、水戶學は、西力東漸の勢に抗してゆくために、その組織•體系を整えたとも見られる。即ちアメリカ・イギリス・ロシヤなどが、日本に對して野心 . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第一水戸學概説 (四)水戶學の發生と進展

2022-08-18 | 茨城県南 歴史と風俗
高須芳次郎著『水戸學精神』  第一水戸學概説   (四) 水戶學の發生と進展 〔日本精神の高調と大義名分主義〕    水戸學は、一體どんな動機、どんな事情によって生れたか。順序上、先づこの點を明かにすべき必要がある。水戸學が起生したのは、文修復興の機運に伴ふ必然の理勢にほかならない。江戶時代に於ける文藝復興がほぼ完成せられたのは、元禄期であるが、その運動は旣に第一代將軍、徳川家 . . . 本文を読む

高須芳次郎著『水戸學精神』第一 水戸學概説 水戸學の新興、水戸學の意義・本質

2022-08-17 | 茨城県南 歴史と風俗
 高須芳次郎著『水戸學精神』 第一 水戸學概説   (二) 水戶學の新興  〔水戶學と國學〕   在來、日本精神の發達に、最も多く貢献したのは、水戶學、國學の二つである。國學 については、相當、その本質を各方面から闡明されたが、水戸學については、まだ十分 闡明せられてをらぬ。國學は、より多く文學若くは一般文化の上に重點を置いたが、水戸學は . . . 本文を読む