AKB48の旅

AKB48の旅

「涙は句読点」その5 尾木直樹氏の指摘

2016年04月07日 | AKB
以下、73pから引用。

AKB48は現在の教育の現場とは全然違う。一昔前の学校の姿をこの10年で提示してきたんですね。だから30~40代くらいの人たちは、ものすごく共鳴できるし、「自分たちの青春時代の雰囲気だ」って、違和感がないのだと思います。

中略

制服というのはおもしろいんですよ。みんな同じ格好をするわけですから個性をなくすものと思うかも知れませんが、実は違います。僕も教員をやっていたので分かりますが、後ろ姿や横からの姿で、誰かってすぐ分かるんです。同じだからこそ、個々の際だった部分が表れる。ファンの方にとっても、何人メンバーがいても、すぐ推しメンは見つかると思います。同じだからこそキャラクターが立たなければいけないですし、個性が光り輝く。AKB48にはエリートだけでなく、落ちこぼれキャラの子もいますよね。


尾木氏の指摘は、流石に御専門の分野からの視点ということもあって、全体的にたいへん示唆に富む内容になってた。中でも上記引用のような指摘は、寡聞にして初めて目にしたように思う。確かに「局所的」に見れば、この指摘は妥当であるように感じる。なるほどなあ。

「制服」という概念には軍服、そして近代国民国家という香ばしい背景がまとわりつく、そういう議論になりがちなんだけど、尾木氏はそんな「非現実的」な部分をばっさり刈り取ってしまってると思われる。その上で、きわめて現実的、現場的な視点に立つのみならず、驚くべきことに有効性、有用性というサイエンスの観点から語ってると思われるところが、なんとも新鮮。