白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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アルミ杯決勝

2017年11月26日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日はアルミ杯決勝の感想です。
時間が遅いので、手短に・・・。



1図(実戦)
決勝は李沂修七段(黒)と姚智騰四段で争われました。
私の予想(?)はあっさり外れましたね。

本局では特に姚四段の打ち回しに注目しました。
私の中の姚四段のイメージは、じっくり打ってヨセで勝つというものでした。
ですが、最近の碁を見ていると、積極的に仕掛ける碁に変貌したと感じます。
10代の棋士には無限の可能性があるのですね。

本局も打ちたいように打っている印象でした。
善悪は分かりませんが、白△までの進行も気分良く打っていたのではないでしょうか?





2図(実戦)
この段階では、明らかに黒有利の形勢でしょう。
地は黒が多く、白の頼みの綱は白△の存在ですが、これらは白の財産なのかお荷物なのかはっきりしません。
しかし、ここから姚四段が物凄い迫力を出していきましたね。





3図(実戦)
白は全軍躍動して左上黒の大石に寄り付いています。
こうなっては勝負は分からなくなった感じですね。
いざという時の姚四段の瞬発力は凄まじいものがあります。

しかし、最後は李七段が貫録を見せました。
この2日間、隙の無い読みでポイントを上げる場面が多かったように感じます。
第1回の準優勝以来、着実に力を蓄えてきた成果でしょうね。