白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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棋聖戦第3局結果

2018年02月01日 22時25分09秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
河野九段との対局は残念な結果でした。
後日感想を述べたいと思います。

さて、本日は棋聖戦第3局の2日目が行われました。
注目の封じ手は・・・。



1図(封じ手)
黒△でした!
ようやく当たりましたね。
自信の無い時に限って当たるのもどうかと思いますが・・・。
もっとも、この手を予想した棋士は多かったようですね。





2図(実戦)
手順を追っていて、この場面には驚きました。
白△とハネられましたが、ここで普通の棋士なら・・・。





3図(変化図)
要石の白△を取ることしか考えないのではないでしょうか?
黒△は取られるかもしれませんが、安全な進行です。





4図(実戦)
ところが、実戦は黒1!
白△はaの所の1眼しか無いと主張しました。
なんというしつこさでしょうか。

しかし、中央を白2と逃げられ、黒△と黒×が両方弱い石になっています。
怖すぎてとても考えたくない進行です。

1日目でも似たような場面が出てきましたが、一力挑戦者はあえて難解な道を突き進みましたね。
碁では基本的に最善手や勝ちやすい手を目指すものですが、人間の対局はそれだけではありません。
各人にこういう手、こういう碁を打ちたいという意思があり、それが勝負を面白くしていると思います。

しかし、結果的に一力挑戦者は後が無くなりました。
第4局ではどんな碁を目指すのでしょうか?
なんとか踏ん張って欲しいですね。


なお、女流名人戦矢代久美子六段挑戦者になりました。

最近の女流囲碁界は一般棋戦以上に低年齢化が進んでいて、タイトル戦出場者の大半は20代、時々10代という状況です。
そんな中で、矢代六段が出てきたのは逆に新鮮ですね。
10年ぶりぐらいのタイトル戦出場です。
藤沢里菜女流名人との戦いがどんなものになるのか、楽しみですね。