白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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藤沢里菜対AQ

2018年02月25日 22時33分01秒 | AI囲碁全般
皆様こんばんは。
本日は幽玄の間での、藤沢里菜三段とAQの対局に注目しました。



1図(実戦)
白1から、根拠の無い黒△に攻めかかりました。
自分の石を守りながら攻めており、自然な打ち方です。





2図(実戦)
白1と打ち込み、下辺白に根拠を作りました。
これも自然な打ち方ですね。





3図(実戦)
しかし、黒△までと進んでみると、なんだかおかしい気配・・・。
黒A、白B、黒Cで白△を切り離す手が残っていますし、隅にも黒D、白E、黒Fの手が残っています。
一手一手打っているはずなのに、白にばかり嫌味が残りました。





4図(実戦)
白は挽回を目指して仕掛けましたが、黒△の切りが実現してかえって苦しくなりました。
AQ相手では、既に逆転が難しくなっているかもしれません。


自然な手を打っていればそう悪くならない、というのが人間の常識です。
しかし、強いAIとの対局では、自然に打ったつもりでも形勢が悪くなりがちです。
強いAIから見れば、プロの碁もどこか不自然なのでしょうか。