白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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封じ手予想

2018年02月15日 20時44分52秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は棋聖戦第4局の1日目が行われました。
序盤から見たことのない戦いが始まって驚きましたね。
途中でおとなしく分かれる可能性もありましたが、両者とも拒否して激戦へ・・・。



1図(実戦)
本局で特に印象的だった場面をご紹介しましょう。
黒△の「ケイマ」に対して、白△と「ツケ越し」ていきました。
「ケイマにツケ越し」の格言通りですね。





2図(実戦)
それに対して、「ツケ越し切るべからず」で黒1とハネました。
これも格言通りですね。
そして、白2に対しては凡人には黒Aしか思い浮かびません。

ところが、井山棋聖は黒3!
なんという美しい一手でしょうか。
流石です。





3図(参考図)
この後、白1、3と打って右上の白とつながろうとすることが考えられます。
この時に黒△が素晴らしい位置にありますね。
黒AやBとは比べ物にならないぐらい、のびのびとした手になっています。





4図(打ち掛け局面)
しかし、井山棋聖の手は美しいですが際どい手でもあります。
一力挑戦者は力で叩き潰しにいきました。
白△まで進んだところで打ち掛けとなっています。
元々は黒×と白×の競り合いが戦いの本線でしたが、上辺の問題も大きくなってきて訳の分からない状況ですね。





5図(封じ手予想)
封じ手予想は黒△の下がりです。
全く読んでいませんが、とりあえず下がっておけという発想ですね。
ダメの数を増やしておけば、たとえ取られるにしても時間が稼げそうです。


現在の形勢も明日の展開も、私には全く分かりません。
どんな戦いが繰り広げられるのでしょうか?
明日もぜひご覧ください。