白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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手筋

2019年01月07日 23時59分59秒 | 幽玄の間
<本日の一言>
明日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行います。
皆様のお越しをお待ちしております。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日から日本棋院棋士の公式対局が始まりました。
日本棋院ネット対局幽玄の間でも中継が行われています。
今回はその中の2局を題材にしてみます。
問題と思って考えてみてください。



1図(テーマ図)
グロービス杯予選、長徳徹志初段(黒)と渡辺寛大初段の対局です。
白△と当てられ、次にAとBが見合いの状況です。
黒はどうしたものでしょうか?





2図(正解)
単に黒△と放り込むのが手筋です。
次に白Aなら黒Bが先手になり、黒Cに回って白潰れです。
放り込みの前にBやCを決めてしまうのは余計なことで、上手くいかなくなります。
一種の決めすぎ病ですね。





3図(実戦)
実戦は白が変化しましたが、白×を取っては黒が成功しました。





4図(テーマ図)
芝野虎丸七段(黒)と田中康湧初段の対局です。
現在、左辺黒大石が狙われている状況です。
白Aに出る手と白Bにハネる手がありますが、黒は両方を防ぐことができるでしょうか?





5図(正解)
黒△の切り込みが鋭い手筋でした。
白Aと取れば黒B、白C、黒Dとなり、左辺白に眼がありません。





6図(実戦)
ということで白1の当てでしたが、黒4までぴったり生きることができました。


今回はシンプルな手筋を選んでみました。
先が読めなくても、勘で正解手が思い浮かべばそれで十分です。
手筋の習得法は形で覚えることが基本なのです。