白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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地を作る場所

2019年01月13日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>今年もこども棋聖戦が行われました。
レベルも高いですが、子供特有の勢いが感じられるのも観戦していて楽しい理由の一つです。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
現在、中央大学囲碁部OBの合宿に参加しています。
本日はその中の一局を題材にしてみましょう。



1図(テーマ図)
3子局です。
次は黒番ですが、黒AとBのどちらに向かいますか?




2図(正解)
周囲の黒が薄いので、黒1としっかりつながっておくところです。
これで薄みが消え、かなりの地もできます。
また、下辺に関しては白2、4などと入ってこられても黒石に心配は生じませんし、白地もほとんど増えません。




3図(失敗)
下辺を地にしたくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
高段者でも黒1と打ってしまいがちです。
まず、白2、4とはみ出されてしまうのが問題点です。
白Aの嫌みも残っていますね。

それでも、下辺にできた黒地も大きいと思われるかもしれません。
しかし、ここに一生懸命地を作る間に、別の問題が生じているのです。



4図(失敗)
白△に石が増えたのが問題です。
これを生かして白5まで、左辺黒を攻められてしまいました。
白AやBが心配です。
つまり、下辺の黒地ができた分全てプラスではなく、実際の成果は割り引いて考えなければいけません。
2図は地にプラスアルファがありますから、逆になっていますね。


今回は少々高度な図になりましたね。
大事なことは薄い石の周りに地を作るということで、それだけご理解頂ければ十分です。