<本日の一言>
本日は永代塾囲碁サロンにて指導碁を行いました。
お越しくださった皆様、ありがとうございました。
来月も通常通り第2土曜日に行う予定です。
皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、女子甲級リーグの呉依銘二段(12)と於之瑩六段(21)の対局をご紹介します。
於六段はご存知の通り中国を代表する女流棋士で、歴代でも最強でしょう。
しかし、そんな於六段をも上回るであろうスピードで成長しているのが呉二段です。
早速見ていきましょう。
1図(実戦)
呉二段の黒番です。
白1、3の動き出しに、黒×をあっさり捨ててしまいました。
先手を取って黒10に回り、下辺で戦った方が楽という判断でしょう。
2図(実戦)
白×をすぐ取りにいかず、黒1、3と大場に向かいました。
白4を待ってから、黒7以下取りにいっています。
空振りする恐れが無い、バランスの取れた打ち方ですね。
3図(実戦)
白1と打たれた場面、右側の白模様がいかにも大きく見えます。
しかし、実戦は黒2~8と、黒×を補強しました。
黒×が弱くては打ち切れないというわけですね。
また、白×が弱いので白模様はそれほど大きくまとまらないという判断もあったのでしょう。
なんという落ち着きでしょうか。
4図(実戦)
既に寄せに入っている局面です。
白1に対して黒Aと受けず、黒×の補強にもなる黒2を選択しました。
また、白3に対して黒B、白Cを決めなかったのは、白に眼形を与えることを嫌ったものです。
さらに、白5に対する黒6、8は、単純計算ではそれほど大きな寄せではありませんが、お互いの眼形に影響のある手です。
寄せで着手を選ぶ際、地の増減を数字で算出することはもちろん重要な技術です。
しかし、それに加えて石の強弱などの付加価値を判断することも大切なのですが、そちらはより高度です。
呉二段の寄せを見る限り、両方の技術が備わっているように見えます。
最後まで堅実で隙の無い打ちぶりは、本因坊秀策を連想させます。
本局は於六段の半目勝ちでした。
惜しくも敗れたとはいえ、またとてつもない打ち手が現れたものです。
そして、この呉二段と仲邑菫初段(10)の特別対局が行われるという噂が聞こえてきました。
中国語が分からないので確認できていませんが、非常に楽しみです。
現時点では呉二段の方が強いと思いますが、なんとか食らいついて欲しいですね。
☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。
日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。
永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。
白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。
New!→上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。
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