白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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王座戦第3局感想

2019年11月18日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
藤沢里菜四段が名人戦最終予選決勝に臨みましたが、一力遼八段に敗れてリーグ入りはなりませんでした。
ファンの多い一力八段ですが、今年は敵もかなり増やしているかもしれません(笑)。
それにしても、一力八段は今年棋聖戦ではSリーグに昇格を決めましたし、本因坊リーグにも在籍中なので実質トリプルリーガーですね。
これまでに獲得したタイトルは何故か早碁に偏っていますが、七大タイトル獲得もいよいよ近付いてきた感じがします。



皆様こんばんは。
本日は王座戦第3局が行われました。
早速振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間にて、横塚力七段の解説付きで中継されました。

1図(実戦)
芝野虎丸挑戦者の黒番です。
黒1は「Aの断点を守ってください」という手ですね。
しかし、白の井山裕太王座も2と打って「貴方のほうこそ守ってください」と言い返しました。
次に黒Bなら白Cのノゾキを利かして、白Aと守る手を省略しようというわけですね。



2図(実戦)
それに対して、黒1の置きが凄い手でした!
白2と交換してから黒3と出て、動きが不自由になった白×を取りにいこうというわけですね。

ならばと、白はAと押さえず白4!
黒の強手をヒラリとかわしました。



3図(実戦)
結果は、黒が白×を取り、白が黒×を取る振り替わりになりました。
タイトル戦にふさわしい、素晴らしい攻防で感動しました。



4図(実戦)
その後、黒△が凄い打ち込みでしたね。
周囲は白石ばかりの所ですから、ここにいく発想はなかなか生まれないのではないでしょうか。
形勢は白が良かったと思いますが、この手を境にわけの分からない戦いに引きずり混んでいった感があります。
穏やかな人柄の芝野挑戦者ですが、盤上での迫力は凄いですね。


結果は芝野挑戦者が勝ち、シリーズ成績を2勝1敗としました。
名人と合わせての2冠まであと一歩です。
井山王座としては、王座を失うようだと3冠となり、もはや「井山時代」とは言えなくなるでしょう。
日本囲碁界の第一人者としては、ここが踏ん張りどころですね。

第4局は11月29日(金)に行われます。
お楽しみに!



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