白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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高雄茉莉-仲邑菫

2019年11月11日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
香港情勢の落ち着く兆しが見えませんね。
警官が市民に躊躇い無く銃口を向ける光景は、日本では考えられない光景です。
中国の本気度が伺えますが、果たしてどうなるでしょうか。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、新人王戦予選の高雄茉莉初段(18)と仲邑菫初段(10)の対局をご紹介します。

両者はどちらも新初段ですね。
高雄初段は中部総本部、仲邑初段は関西総本部の所属棋士です。
新人王戦は予選の段階から所属によるブロック分けが無く(関西棋院は別)、貴重な交流対局の機会になっています。
また、今年の予選は29人中21人が初段という、例年に増してフレッシュな顔ぶれです。

1図(実戦)
高雄初段の黒番です。
黒1と軽く飛び、白2には黒3、5と打ち、白4、6の連絡を許しました。
上辺で戦うより、先手を取って黒7に回る方が得策という判断でしょう。

この打ち回しからして、ゴリゴリ戦うタイプではないと感じますね。
力自慢なら黒1では黒Aと打って、白×や左上白の攻めを狙っていくでしょう。



2図(実戦)
ここは本局のハイライトシーンと言って良いでしょう。
白1とハネれば、当然黒2と切ってきて大きなコウになることが想定できます。
白1のような手は、コウに勝てる見通しのもとに打たれることが多いですが・・・。



3図(実戦)
黒3のコウ取りに対し、白4とつないでコウを放棄してしまいました。
白6の当てを利かして中央進出を止め、白12と黒×に襲いかかる作戦です。
こうなると黒1が行動の幅を狭めて悪手になっているのですが、それも見越して変化したのでしょう。
仲邑初段が柔軟な打ち回しを見せました。



4図(実戦)
下辺白は、白Aからの追い落としと白Bによる2子取りが見合いで生きています。
地合勝負でも白有利ですが、白1から止めを刺しにいきました。
黒も粘ってコウに持ち込みましたが、余波で右上隅が死んで決着しました。

若い棋士は、取れる石は取りにいくべきですね。
形勢が良いからと、楽して勝とうとするのは悪い癖になると思います。


これで仲邑初段は今年11勝5敗となりました。
新人王戦予選決勝では、牛栄子二段(20)-藤井浩貴初段(17)戦の勝者と対局します。
既に活躍している牛二段はもちろん、夏にプロ入りしたばかりの藤井初段も相当な実力者です。
また楽しみな対局になりますね。



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