<本日の一言>
本日は横浜の宇宙棋院にて、月1回のイベントを行いました。
お越しくださった皆様、ありがとうございました。
なお、申し訳ありませんが来月はお休みとさせて頂き、次回は1/28(火)19:00~となります。
皆様こんばんは。
本日は第21回農心杯第9戦、井山裕太九段(30)と楊鼎新九段(21)の対局をご紹介します。
井山九段は第16回以来、常に大将を努めてきました。
当然とは言え、負けたらチームが敗退という場面でしか対局しかしていないのです。
個人戦とはまた別の重圧がかかっていることでしょう。
それでは振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間にて、一力遼八段の解説付きで中継されました。
1図(実戦)
井山九段の黒番です。
ここでの白の派手な捌きが印象的でした。
際どい戦いになりますが、研究済みなのでしょうね。
2図(実戦)
しかし、なんと言ってもこの場面は外せません。
黒1~11の名サバキ!
○黒1、3の利かし
○黒5、7のツケ切り
○黒9、11のツケ切り
この3つが有機的に連携しており、白は対応に困ったでしょう。
こうなっては、黒がはっきり良くなったと感じました。
3図(実戦)
左辺でコウが起こりましたが、黒が勝って白×を取り込みました。
白模様の中で大きな戦果を上げています。
その代わり白2、4で黒×を包囲されましたが、黒の大優勢は明らかですね。
もし私が対局者なら、ここで黒Aとコウを解消しようか、それともその前に黒Bを利かしにいこうか、ということを考えるでしょう
形勢が良いので、難しいことをやらずに逃げ切りを目指したくなるのです。
4図(実戦)
ところが、実戦は黒1、3と動き出していきました!
白には×あたりに断点が多く、また中央の大石も生きていないので、これで凌げると判断したのですね。
しかし、リアルタイムで観戦していた私は、「ちょっとやめてよ!」と叫びたくなりました(笑)。
井山九段にははっきりと凌ぎのビジョンが見えていたかもしれませんが、観戦者の私には見えていませんからね・・・。
私の読みの能力を基準にすると、何故こんな危険なことを、ということになります。
しかし、結果は無事凌ぎに成功し、最短ルートで勝ちを決めました。
常に最善を追い求める、井山九段らしさがよく表れた勝ち方でしたね。
井山九段の待望の勝ち星によって日本チームは生き残り、同時に第2ラウンドが終了しました。
2/17(月)から上海で行われる第3ラウンドに望みをつないでいます。
そして、その第3ラウンドの初戦では韓国の大将朴廷桓九段と対局します。
この構図、前回とそっくりですね・・・。
前回は井山九段が破れましたが、今回雪辱を果たしてくれることを期待しましょう。
☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。
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