先日こんな新聞記事を見かけました。
「図書館はベストセラー買いすぎ?ルール作り検討へ 「板挟み」の声も」宮田裕介 2023年8月27日掲載 朝日新聞デジタル
自民党の「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」の提言を受け、図書館を所管する文部科学省が検討を始めたという記事です。
図書館が大量のベストセラーを購入することが街の本屋さんの営業を圧迫しているというのです。
図書館ヘビーユーザーの方、この提言をどう思われますか。
管理者はベストセラー本に左右されない方ですが、たまに図書館にリクエストした本がベストセラーだったりすると、予約待ち何十人という表示に驚いたりします。
なので、待っても買わずに借りようという利用者は、図書館がベストセラー購入を減らしても、あまり影響は出ないように思います。
むしろ、図書館が大手業者と契約して、安く本を購入している現実の方が影響が大きいのではないかと思われます。
特にPFIによって運営されている図書館は、トーハン、日販などの取次業者から、書誌・装備付きで仕入れるケースが大半だと思われます。
そのため、地域の書店に入り込む余地はありません。
全国の公共図書館は、約3300館(2022年『日本の図書館 統計と名簿』(日本図書館協会刊行)より)。
これらの図書館が購入しなくなることが、地域の書店の売り上げアップにつながるのでしょうか?
むしろAmazonなど大手通販へ需要が流れるか、出版社による電子書籍購入にシフトするのではないかと考えます。
中小の書店では品揃えが十分でないケースもあり、取り寄せなどの手間を考えると地域の書店振興につながるとは思えません。
図書館が本を買わなくなると、むしろ出版業界にマイナスに働く恐れもあります。
こうしたルールは、図書館の図書選択の自由を制約することになります。
図書館を応援する“みんと”としては、きちんとした状況分析の上で、慎重な検討を望みます!
ちなみに稲城市立図書館では、知る限り「大量購入」の様子は見られせん。
長い間待って、やっと読める幸せを味わえます