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⚠️ 日本政府が検討中の「外国人労働者の永住・家族帯同」が愚策といえる論拠 202201

2022-01-16 21:14:00 | 気になる モノ・コト

日本政府が検討中の「外国人労働者の永住・家族帯同」が愚策といえる論拠
 幻冬社ゴールド onlain より 塚崎 公義


 日本政府は、労働力不足解消のため外国人労働者の受け入れ拡大をするにあたり、永住権の付与や家族の帯同も許可する見通しです。しかしそれは、外国人労働者受け入れを上回る弊害があると考えられます。日本国民全体が負担するコストの増大、生活水準の低下の可能性について、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

⚫︎政府は「外国人労働者受入」を拡大する方針
 政府は、外国人労働者の受入を拡大するため、永住権や家族の帯同を認める方向で検討しているようです。筆者はそもそも外国人の受入拡大に反対です。労働力不足で必要な労働力が確保できないならば、いまより高い時給で労働者を募集する、機械化を進めるといった対策を考えるべきです。この点については、拙稿『政府は「外国人労働者の永住拡大」より、「日本人の賃上げ」を最優先すべきワケ』をご参照いただければ幸いです。

 しかし、外国人労働者の受入よりも、永住権の付与や家族帯同の容認のほうがはるかに弊害が大きな愚策だといわざるをえません。それによって労働力不足が解消しにくくなるうえに、大きなコストが発生しかねないからです。

 ちなみに筆者は、「労働力不足」は「労働力余剰」よりはるかによいと考えていますが、今次政策が労働力不足への対策とされていることから、政策が目的に沿ったものであるか否かを考えることにします。

⚫︎家族の帯同まで認めても、所定の目的は達成されない
 外国人労働者が日本に永住するということは、いつか彼らが年老いて働けなくなり、介護や医療サービスを受ける日が来る可能性が高いでしょう。そのときに介護や医療サービスを提供するのは日本人なのでしょうか。

 そうだとすれば、短期的には外国人労働者の受入が労働力不足の緩和に役立つとしても、長期的にはそれを介護や医療の需要がそれを相殺してしまうかもしれません。

 外国人労働者が家族を帯同することになれば、年老いた両親を帯同するかもしれず、そうなれば直ちに日本人の介護や医療の労働力を利用することにもなりかねません。帯同した子どもが日本語の教育を受けるとすれば、日本語教師の労働力を利用することにもなりかねません。そもそも、外国人が日本に住むというだけでも役所の住民票係に通訳を雇う必要が出てくるかもしれません。

 そうしたことを総合的に考えると、永住権を付与したり、家族帯同を認めたりしてまで外国人労働者を受け入れても、所定の目的が達成されない可能性も大きいように思われます。

⚫︎外国人を雇う企業が行政コストを含めて負担すべき
 金銭面でも問題が大きそうです。上記のような介護や医療や教育や通訳等々のサービスには、コストがかかります。それを税金(介護保険料等々を含む、以下同様)で賄うとすれば問題です。

 年金の問題もありそうです。外国人労働者が日本に来てから年金保険料を払い始めたとしても、年金保険料を納める期間が短ければ老後に十分な年金が受け取れません。そうなれば、彼らが生活保護を受給する可能性もあるでしょう。それは国民の税金から支払われることになるわけです。

 諸コストを雇い主が払うべきと考える理由の第一は、そうしないと外国人の受入人数が適正数を上回ってしまうからです。外国人を雇うことによって企業の利益が1円しか増えないのに、多額の行政コストが必要なのであれば、そのケースでは日本国全体としてメリットよりコストが大きくなるわけで、外国人を受け入れるべきではありません。

 外国人を雇えば企業が巨額の利益を得られ、それが行政コストよりも大きいのであれば、日本国として外国人を受け入れることが合理的といえるかもしれませんが、それをだれがどうやって判断するのか、という問題があります。簡単なのは、外国人を雇う企業が行政コストを負担するというルールにすることです。

 そうすれば、外国人を雇うことで巨額の利益を得られる企業だけが外国人を雇うことになるので、日本国全体としてメリットがコストを上回ることが避けられるからです。

 もうひとつ、公平の観点からの問題もあります。外国人労働者を受け入れなければ日本人労働者の給料が上がるはずなのに、外国人労働者を受け入れることによって日本人労働者の給料が上がらなくなるとすれば、彼らは「被害者」です。

 その「被害者」が支払った税金等が外国人受入の諸コストを賄うために用いられ、一方で企業の利益が増えるのであれば、それは到底公平とは言えません。

⚫︎大事なのは「日本人の生活水準を守る」こと
 少子高齢化は、労働力不足とともに、長期的には人口減少をもたらします。そうなると、日本のGDPが減ってしまうことになるでしょう。それが問題だから外国人労働者を受け入れよう、と考える人もいるようです。

 しかし、重要なのは、日本のGDPを守ることではなく、日本人の生活水準を守ることなので、人口が半分になってGDPが半分になっても構わないのです。1人当たりのGDPが維持できれば、日本人の生活水準は保てますから。

 もちろん、本稿の問題意識とは別の問題として、人口が減り続ければ日本人がゼロ人になってしまう、という懸念はありますし、それを防止するために少子化対策が必要であることは間違いありませんが、それは「外国人労働者を受け入れることで日本列島に住む人の数を維持する」ということとは別の問題ですから、混同しないように気をつけたいものです。

 今回は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等々の見解ではありません。また、わかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。


⚫︎筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。
 塚崎 公義  経済評論家

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