世界初、KDDIが「水空合体ドローン」を開発!
ナゾロジー より 220128 大倉康弘
Credit: QYSEA_QYSEA & KDDI: World’s First Sea-to-Air Drone Redefines Offshore Operations(2022)
ドローンによる遠隔操作技術は、幅広い分野で活用されています。
そして最近、携帯電話事業などを手掛ける日本の大手通信電気会社「KDDI」が、日本初のドローン専門メーカー「プロドローン」などと共同で、世界初の水空合体ドローンを開発しました。
これにより,海に設置された風力発電設備などの点検が,すべて遠隔操作で可能になります。
◆目次
KDDIが「水空合体ドローン」を開発
水中の遠隔作業が可能に!性能は実証済み
⚫︎KDDIが「水空合体ドローン」を開発
今回、開発された水空合体ドローンは、その名のとおり、空中ドローンと水中ドローンを組み合わせた機体となっています。
空中ドローン下部のケージに水中ドローンが収まっており、遠隔操作によって離脱・回収が可能。
空中ドローンで目的地まで素早く移動した後、水中作業に移行できる優れものです。
(Credit: KDDI_世界初の水空合体ドローン、遠隔での水中撮影に成功(2021))
ちなみに空中ドローンは、6つのローターを備えた従来型を海面に着水できるよう調整したもの。
水中ドローンには、中国発の水中ドローンベンチャー「QYSEA」が開発した機体が採用されています。
空中ドローンの最大飛行時間は15分と短めですが、水中ドローンによる最大潜航時間は5時間にもなります。
高性能な両ドローンが合体したことで、オペレーターは陸地にいながら、遠く離れた水中作業をじっくりと行えるのです。
それでは次に、水中合体ドローンの性能について詳しく見てみましょう。
⚫︎水中の遠隔作業が可能に!性能は実証済み
水中合体ドローンには、いくつかの機能が導入されています。
たとえば、KDDIならではの「モバイル通信」に対応しており、安定した自律飛行・遠隔操作だけでなく、空中・水中カメラ映像のリアルタイム伝送が可能です。
水空両方の視点で確認できるため、オペレーターの作業の幅が大きく広がります。
またGPSが使えない水中でも、位置情報を正確に把握できるようになっています。
水中ドローンから送られる音響信号を空中ドローンが受信することで、位置測位結果を合成。水中ドローンの正確な居場所を特定できるのです。
こうした高い遠隔操作性能は、海にある設備の監視や点検に役立ちます。
たとえば、養殖場などの水産業の監視、洋上風力発電設備・橋脚といった水中インフラの点検、出航前の船底点検にも最適です。
これらの作業は本来、ダイバーが船やボートを使って目的地まで訪れ、水中に潜って作業しなければいけない分野です。
水空合体ドローンを利用すれば、オペレーターが陸地で操作するだけで済み、コストと時間を大幅に削減できるでしょう。
KDDI社は,すでに水空合体ドローンによる自律飛行と水中撮影の実証に成功しています。
近い将来、多くの作業を水空合体ドローンが担うようになるかもしれませんね。
◆参考文献
世界初の水空合体ドローン、遠隔での水中撮影に成功 https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2021/12/14/5593.html QYSEA & KDDI: World’s First Sea-to-Air Drone Redefines Offshore Operations https://www.qysea.com/media-center/qysea--kddi-worlds-first-sea-to-air-drone-redefines-offshore-operations.html