goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

人類はまだ知らない!「食う・食われる」だけじゃない、本当の“地球のルール” 植物で考える“超進化論” 202211

2022-11-06 01:30:05 | スカパー 放送予定控 & 映画 予定 &TV 予定

人類はまだ知らない!「食う・食われる」だけじゃない、本当の“地球のルール” 植物で考える“超進化論”
  現代ビジネス より 221106  NHKスペシャル「超・進化論」取材班


 よく耳にする「生物多様性」という言葉。でも私たちは、それが本当はどういうことなのか、まだ知らないのではないか。
 生き物たちは、厳しい生存競争を繰り広げる一方で、種を超えて複雑につながり合い、助け合って生きている。
“人間は最も進化した生き物だ”という思いこみをやめて、生命の星・地球を支える「生物多様性の本当の姿」を見つめたい。

 そんなテーマを掲げて制作された、NHKスペシャルの大型シリーズ「超・進化論」。番組では、これまで見ることができなかった生き物たちの驚くべき世界を、映像化することに挑んでいる。
 植物がまるでおしゃべりするかのようにコミュニケーションをしている様子や、幼虫からまるで違う成虫の姿へと大変身するサナギの中の透視映像は、世界で初めて撮影されたものだ。
 記事前編では、植物の“おしゃべり”を中心にお伝えしてきたが、本稿では、「食う・食われる」だけではない、植物の「支え合いの世界」についてご紹介する。(NHKスペシャル「超・進化論」ディレクター 白川裕之)

※本稿は11月6日放送「NHKスペシャル 超・進化論」取材班が制作した記事を紹介しています。

⚫︎生き物が感じている“もうひとつの世界”とは?
 NHKスペシャル・シリーズ「超・進化論」の企画の出発点の一つは、「生き物たちの営みの大半は、私たち人間には見えていない」ということ。

 そしてもう一つが、「生き物たちは、人間とは違うやり方で世界をとらえている」ということだ。
 人間の目線から脱却して、生き物たちの目線、生き物たちが感じている“もうひとつの世界”に近づきたいというアプローチだ。

 しかし、生き物たちは、一体どのように世界をとらえて生きているのか。

 企画を立ち上げてしばらくたってから、一つの興味深い研究が一流科学誌サイエンスに発表された。論文の筆頭著者は、埼玉大学の豊田正嗣さんだ。植物の葉が虫に食べられたときに、どのような反応が起こるのかを映像化することに見事に成功していた。

⚫︎特殊な波長の光を当て、植物の反応を可視化する/NHK提供
 研究室を訪ねると、豊田さんはこちらの企画をいたく気に入ってくれた。植物がどう感じているかというアプローチは、私たちの狙いとぴたりと重なっていたものだから、豊田さんと私はすっかり意気投合。
 お会いしたその日に、人の手で触れたときや雨粒が降ったときなどに植物が示す反応をいかに可視化していくかについて議論した。

 葉を虫に食べられると、全身に信号を伝える様子が見えた/NHK提供

 ほかにも、植物の「感覚」とも言うべき、周りの環境を感知する能力の研究が進んでいることが分かってきた。
 アメリカ・トレド大学のハイディ・アペルさんのグループは、「植物が、音(=振動)に反応する」という新しい知見を発表していた。アペルさんが明らかにしたのは、虫が葉をかじる音に対して、植物が防御の反応を起こしているという事実だ。
 アペルさんに話を聞くと、彼女はこう語った。
「植物には、間違いなく“音”を感知して反応する能力があります。その一つが、身の危険を知る上で重要な、葉をかじる“音”なのです。植物には目もなければ耳もない。人間が持つような感覚器官を持っているわけではないため、私たちは彼らの能力を過小評価してしまうのです」

 ただ黙って立っているだけに見える巨木も、すべてを感じている/NHK提供

 目も耳もなく、動くこともない彼らは、「ただ黙って立っているだけの、鈍感な存在」にも思える。
 しかし、最先端の研究者たちからすると、むしろ逆で、植物は動けないがゆえに、周囲のあらゆる環境の変化を、時に動物以上に敏感に感じ取って対応している可能性があるというのだ。

 わずかずつ見えてきた、人間とは異なる「植物たちが生きる世界」。実は、さらにもっとすごい別世界が、“意外なところ”に広がっていた。次章で見ていこう。

【番組概要】
NHKスペシャル 超・進化論 (1)「植物からのメッセージ 〜地球を彩る驚異の世界〜」
初回放送日: 2022年11月6日午後9時

 最先端の科学が明らかにする“新しい進化の物語”を、圧巻の映像美と珠玉のストーリーで描く大型シリーズ。
 第1集は、陸の王者・植物。「大人しくて鈍感な生き物」のイメージを根底から覆す。
 植物が“おしゃべり”する様子を世界で初めて映像で捉えた!多様な命が暮らす森の地下には、支え合いの輪が広がっていた!競争だけでなく助け合いに満ちた生き物の世界を、堺雅人×角田晃広×西田敏行らの心揺さぶるドラマと共にお届けする。

 究極の別世界 それは地下に広がっていた!
 私は、海外の複数のグループが、森の地下に注目して驚きの研究成果を報告していることに目を留めた。まさに私たちがこの目で見ているだけでは、まったく気づくことのできない、思いも寄らない別世界だった。

 それは、森の地下には、木と木をつなぐ巨大な菌のネットワークが存在しているという事実だ。この目に見えない地下でのつながりは、遺伝子解析技術によって明らかになってきた。
 数十メートル離れた植物どうしが、同じ菌糸(細い糸状の菌)のネットワークでつながっていることが、遺伝子の解析から分かるのだ。

 森の地下に広がる巨大な菌のネットワーク/NHK提供

 それだけではない。植物が光合成で得た養分が、その菌糸のネットワークを介して、他の植物へと送られているという研究結果が発表されていたのだ。
 この「見えないつながり」は、葉に特殊な二酸化炭素を吸わせて、それをマーカーとして追跡して調べる技術によって判明した。

 そんな世界中を驚かせる研究結果を発表した一人、イスラエル・ワイツマン科学研究所のタミル・クラインさんは、結果を得たときの興奮を私たちにこう語ってくれた。

「最初に結果を見たときは、何かの間違いではないかと心底驚きました」

 どうやら、植物たちは、お互いに同じ菌糸のネットワークにつながることで、生きるのに欠かせない養分などを時にシェアしていることが分かったのだ。
 例えば暗い森の中で生きることさえままならない小さな幼木は、大きな大木の地下で育まれた菌糸のネットワークにつながり、そのネットワークを通して栄養を得ることで、生き残れる可能性があるのだ。

 幼い木は、地下のネットワークで大木とつながっている/NHK提供

 あれ? 植物は、隣の植物と、栄養を取り合っていたのではなかったのか? 生存競争をしているのではなかったのか?

⚫︎競争か、助け合いか
 番組の取材を通して少しずつ見えてきた、生き物たちの見えざる世界。そこから浮かび上がってくるのは、生き物同士の「想像を超えたつながり」である。

 植物だけでなく、昆虫や微生物など多くの生き物たちは、化学物質を使ったコミュニケーションによって、互いに情報をやりとりしている。彼らの情報を媒介するのは、人間が用いるような音声言語ではなく、「メッセージを伝える物質」である。

 生き物の世界で、私たちのように音声言語を使ったコミュニケーションは、むしろ少数派。この地球上には、人間の耳には聞こえない膨大なコミュニケーションが、存在しているのだ。

 植物の見えざる世界を映像化する/NHK提供
 コミュニケーションに限らず、生きるために欠かせないさまざまな物質が、生き物同士の間でさかんにやりとりされている。
 生き物たちは、個を超えて、種を超えて、周囲の他の生き物と、見えないネットワークで複雑につながって生きている。

 命は、個で存在しているのではない。多くの生き物は、自分以外の周囲の生き物たちによって支えられている。

 ダーウィン以来の生物学の常識、「進化論」を考える。それは厳しい生存競争の中で、有利なものが生き残り、子孫を残すという、“進化のルール”だった。
 最新の研究から明らかになってきたのは、そのルールの奥に隠された、驚くほど深遠なしくみだ。

 詰まるところ、この世は競争。結局、弱い者は生き残れない。そう思われがちだが、実際にはそれほど単純ではない(そもそもダーウィンが考えていた「生存競争」は、もっと広い意味をもつものであり、単なる「弱肉強食」の意味ではない)。

 実際、個々の生き物同士は、奪い合ったり競い合ったりして生きているばかりではない。
 競争は、エネルギーを多く消費してしまう。また、自分だけが良ければいいという、周りを排除するような生き方は、むしろ生き残れる確率が低くなる。

 競争するよりも助け合ったほうが、命をつなぐことができる。
 だからこそ、つながり合い、助け合う関係性が地球上にはあふれている。もちろん彼らには、“助ける”というような考えも目的もない。
 しかし、結果として、今の地球にはそうした周囲との“支え合いのルール”が横たわっていることが見えてきた。

 生き物同士がつながり、助け合うように生きる、見えないネットワーク。その一端を私たちは、まだ分かり始めたばかりだ。

【番組概要】
NHKスペシャル 超・進化論 (1)「植物からのメッセージ 〜地球を彩る驚異の世界〜」
初回放送日: 2022年11月6日午後9時

 最先端の科学が明らかにする“新しい進化の物語”を、圧巻の映像美と珠玉のストーリーで描く大型シリーズ。
 第1集は、陸の王者・植物。「大人しくて鈍感な生き物」のイメージを根底から覆す。植物が“おしゃべり”する様子を世界で初めて映像で捉えた!
 多様な命が暮らす森の地下には、支え合いの輪が広がっていた!競争だけでなく助け合いに満ちた生き物の世界を、堺雅人×角田晃広×西田敏行らの心揺さぶるドラマと共にお届けする

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「地球の生命は何度も誕生し... | トップ | 🚶‍♀️〜難波🍻…御堂筋:難波神社,北御堂,御霊神社…... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿