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ほとんどの日本人が知らずに過ごしている衝撃の事実…老後の生活を左右する「たったひとつのポイント」 2024/04

2024-04-12 01:23:23 | なるほど  ふぅ〜ん

ほとんどの日本人が知らずに過ごしている衝撃の事実…老後の生活を左右する「たったひとつのポイント」
現代ビジネス より 現代新書編集部 2404


 元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さん。仕事に生涯を捧げてきた名経営者も85歳を迎え、人生の佳境に差し掛かった。 
『老いた今だから』 では、歳を重ねた今だからこそ見えてきた日々の楽しみ方が書かれている。
※本記事は丹羽宇一郎『老いた今だから』から抜粋・編集したものです。

⚫︎AI化していく企業
 我が国では、すでにいくつかの大手企業が総務・経理関係でAI(人工知能、Artificial Intelligence)を導入して使いはじめています。多分、どの企業も同じような流れにあるでしょう。企業内のAI活用について詳しく知る人がいれば話を聞きたいと思った私は、昔の部下や知人に尋ねてみましたが、心当たりの人は見つからないとのことでした。

 そこで、何社かの大手メーカーに自分で電話をして訊いてみたのですが、どの会社の対応にも壁があり、内情を教えてもらうことはできませんでした。AIをどう活用しているかは企業秘密なので、この件について企業から話を聞くのは無理と判断しました。

 好奇心や知識欲にかられて行動しても、このように思うに任せないこともあります。しかし、最初から無理だと諦めたら行動を起こすことさえできません。ものごとを追究するには、「知りたい」「自分で見極めたい」という気持ちに蓋をしないことが大事です。
その意味で,「既成事実であっても疑ってかかる」ということも大切です。

 自宅で勉強をしていると、「この資料の記述は事実なのかな?」「このデータはどこまで信頼できるのか?」と、疑問をもつことが皆さんにもあるでしょう。
 そんなとき私は、既成事実として誰もが疑いをもたないようなことであっても、すぐに調べます。調べても解決できない場合は、資料の出版元やデータを公表している省庁などに問い合わせて自分で納得できる答えが出てくるまで時間がかかっても解決する努力を続けます。

 あまりしつこく質問するので相手を困らせてしまうこともありますが、内心「申し訳ない」と思いながらも、疑問をそのままにしておくことができないのです。

 今の社会には、人の言うことを鵜呑みにしてしまう傾向があるように感じます。メディアが報じるニュースやネット上の情報を、何の疑いもなくそのまま信ずる人が増えている。人々の考える力が低下していると言われることも多くなりました。

 世の中にあふれる情報を受け身で得ることに慣れっこになると、それらの情報の中身や質について、自分の頭できちんと考え、吟味し、冷静に判断することが難しくなります。その結果、フェイク情報に踊らされてしまう人も少なくありません。

 誰かの意見や考え方を安易に取り入れる人が多くなっているという問題は、若い人たちだけに限ったことではありません。

⚫︎「疑う力」を養うには
 たとえば、あなたが何かの薬を一〇年、二〇年と毎日一錠ずつ飲み続け、それでまずまずの健康を維持して普通に生活しているとします。それを聞きつけた人が、「この薬は二錠飲むほうがいい。権威のある学者や専門家もそう言っているし、有名人の○○もそれで元気にしているよ」と言う。あなたは「自分も二錠飲むほうがいいのではないか?」と不安になり、「偉いさんの言うことだから大丈夫だ」と、その人の意見を取り入れてしまうかもしれません。

 しかし、人間の身体や生活環境は人それぞれで違います。長年続けていて不都合を感じないのは、それが自分の身体や生活環境に合っているからです。
 有名人が別のことをして健康を維持しているとしても、それはその人の身体や生活環境に合っているだけの話で、万人に合うかどうかはわかりません。
 むしろ有害になるかもしれない。人に言われたからといって、むやみに自分の習慣を変える必要はないと思います。

 日本人は権威に弱いところがありますが、学者や専門家といってもピンからキリまでいます。AIがこう言った、SNSにこう出ている、だからこれは正しいのだ、というのは理屈にもなりません。AIが答える内容には間違いもあります。SNSに出ていることなど月日が経てば、誰がどんなことを言ったのか全部忘れているでしょう。

 若い人の場合、そういうことをあまり考えずに、「偉い人が言ったから」「AIの言うことだから」と信用してしまうかもしれませんが、中高年の皆さんなら知識の蓄積も経験値もあるのですから、自分自身で考え、納得のいく判断ができるはずです。

 ものごとを冷静に見つめ、論理的に考えて判断する力は、定年後の生き方や仕事のしかたを決めるうえでも必要です。人生終盤の大きな課題に、よりよい答えを導くには、自分の頭でとことん考えるしかありません。

 そういう意味でも、「疑う」という姿勢は大事だと思います。既成事実とされていることや、皆が「そういうものだ」と信じ込んでいるものほど、疑ってかかるべきかもしれませんね。
 できることなら自分が納得できるまで充分調べて確認したいものです。それによって考える力は磨かれていくかもしれません。そこに、学ぶ醍醐味と意義もあるのです。

 さらに連載記事〈定年退職したその日からおとずれる「退屈すぎてどうしようもない」という悩み…老後の生活に潜む「意外な罠」〉では、老後の生活を成功させるための秘訣を紹介しています。

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