スパコン「富岳」で行なわれた研究がゴードン・ベル賞の最終候補に選出 ~水槽実験や風洞実験がシミュレーションで完全代替できる時代が到来
PC Watch より 201113
東京大学、みずほ情報総研株式会社、理化学研究所、一般財団法人 日本造船技術センターの研究グループによる、スパコン「富岳」を使った大規模数値流体シミュレーションに関する研究が、ゴードン・ベル賞の最終候補に選ばれた。
11月16日から19日にわたってオンラインで開催される高性能計算に関する国際会議「SC20」で発表される。
ゴードン・ベル賞は、高性能並列計算を科学技術分野へ適用することに関して、イノベーションの功績がもっとも顕著な研究に対して与えられる。
同グループの研究は、富岳をはじめとした最新鋭のCPUに適した革新的なアルゴリズムを考案することにより、従来のスパコン「京」の70倍以上の高速な流体数値計算を実現した。
これにより、従来の水槽実験や風洞実験によって評価されてきた船舶や自動車などの性能試験が、コンピュータによる数値シミュレーションで完全代替できる可能性が証明され、多くの産業分野における応用が期待されるという。
ゴードン・ベル賞は、高性能並列計算を科学技術分野へ適用することに関して、イノベーションの功績がもっとも顕著な研究に対して与えられる。
同グループの研究は、富岳をはじめとした最新鋭のCPUに適した革新的なアルゴリズムを考案することにより、従来のスパコン「京」の70倍以上の高速な流体数値計算を実現した。
これにより、従来の水槽実験や風洞実験によって評価されてきた船舶や自動車などの性能試験が、コンピュータによる数値シミュレーションで完全代替できる可能性が証明され、多くの産業分野における応用が期待されるという。
(参考)2012/11/16 理研ニュースより
スーパーコンピュータ「京」を使った研究成果でゴードンベル賞を受賞 - SC12(米・ソルトレイクシティ)
筑波大学計算科学研究センター、理化学研究所計算科学研究機構、東京工業大学による研究グループ(以下 筑波大グループ)は、理研のスーパーコンピュータ「京(けい)」を用いた研究成果を、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(高性能計算技術)に関する国際会議SC12(米国・ソルトレイクシティ開催)で発表し、2012年11月15日(米国山地標準時間/日本時間16日)、ゴードン・ベル賞を受賞しました。「大規模計算を非常に高い実効性能で実現した」ことが受賞理由。
受賞の対象となった成果は、約2兆個のダークマター粒子の宇宙初期における重力進化の計算です。1兆粒子を超す規模のダークマターシミュレーションは世界最大であり、専用のアプリケーションを開発した上で「京」全体の約98%を使用し、実効性能5.67ペタフロップス(1秒間に0.567京回計算)を達成しました。本研究で用いたアプリケーションは、文部科学省「HPCI戦略プログラム分野5-物質と宇宙の起源と構造(代表機関:筑波大学計算科学研究センター)」で開発されました。
日本のグループによるゴードン・ベル賞受賞は2年連続で、今回は筑波大グループの単独受賞となりました。ファイナリストには、同じくダークマター粒子の計算で 14ペタフロップスを実現した米国のグループがありました。しかし、筑波大グループの計算法が優れていたため実際のシミュレーション速度では上回り、一粒子あたりの計算速度が米国グループに比べ約2.4倍だったことが評価されました。「京」のような大規模システムの開発・構築に加え、それを使いこなすアプリケーションの面でも日本が世界をリードしていることが示されました。
筑波大学計算科学研究センター、理化学研究所計算科学研究機構、東京工業大学による研究グループ(以下 筑波大グループ)は、理研のスーパーコンピュータ「京(けい)」を用いた研究成果を、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(高性能計算技術)に関する国際会議SC12(米国・ソルトレイクシティ開催)で発表し、2012年11月15日(米国山地標準時間/日本時間16日)、ゴードン・ベル賞を受賞しました。「大規模計算を非常に高い実効性能で実現した」ことが受賞理由。
受賞の対象となった成果は、約2兆個のダークマター粒子の宇宙初期における重力進化の計算です。1兆粒子を超す規模のダークマターシミュレーションは世界最大であり、専用のアプリケーションを開発した上で「京」全体の約98%を使用し、実効性能5.67ペタフロップス(1秒間に0.567京回計算)を達成しました。本研究で用いたアプリケーションは、文部科学省「HPCI戦略プログラム分野5-物質と宇宙の起源と構造(代表機関:筑波大学計算科学研究センター)」で開発されました。
日本のグループによるゴードン・ベル賞受賞は2年連続で、今回は筑波大グループの単独受賞となりました。ファイナリストには、同じくダークマター粒子の計算で 14ペタフロップスを実現した米国のグループがありました。しかし、筑波大グループの計算法が優れていたため実際のシミュレーション速度では上回り、一粒子あたりの計算速度が米国グループに比べ約2.4倍だったことが評価されました。「京」のような大規模システムの開発・構築に加え、それを使いこなすアプリケーションの面でも日本が世界をリードしていることが示されました。