閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

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丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義

2013年11月18日 | 書評 伝記
丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義/植村和秀/柏書房/2004

リベラルの丸山眞男と真正保守の巨頭平泉澄を対比させつつ、業績を解説した本。
「丸山眞男を読む人は平泉澄を読まず、平泉澄を読む人は丸山眞男を読まず」で始まる書き出しは実に圧巻である。
私は、「平泉澄を読む人なので丸山眞男を読まない」主義だが、思考様式的に両者は似ているという著者の指摘は、両方読んだことがなくてもそういうものなのかと思ってしまう。
平泉澄については、第二章にて業績全体に係わる解説があり、平泉澄を歴史進学者と定義し、その特徴を的確にとらえている点に驚かされる。
第四章では、平泉澄の終戦工作がかなり具体的に書かれており、国難を救い、國體維持のためにコンサルタント的活動を政治家や軍部に対して行っていたことが書かれている。

本書は、政治学を専攻する研究者用の本のようだが、平泉澄に興味ある方は、該当箇所だけでも読んでおく価値がある本であることを指摘しておきたい。

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