プラント・ハンター/白幡洋三郎/講談社現代新書/2005
ガーデニングの本場、イギリスにおける、何らかの形で植物採取、コレクターとなった人たちの植物採取の歴史、日本にやってきたプラント・ハンターたちの紹介、プラント・ハンターの目に留まった日本の植物について纏めた、異色の近現代史本である。
18世紀末、ジョーゼフ・バンクスという王立キューガーデンを運営する人物が、世界中から植物を集めた。当時は、植物学旅行家と自称していたようだが、英語圏では最終的にプラント・ハンターと呼ばれるようになった。ただ、この言葉は、辞書には載っていないと本書で著者は述べている。
著者によると、歴史的には、プラント・ハンターの定義は定まっていないとしているが、本書では「植物が持つ魅力に魅せられ、我を忘れて植物を求めるようになった人々」と定義している。
興味深いことに、本書では、日本にいた外交官、クリストファー・ホジソン、オールコック、アーネスト・サトウ、ミッドフォード、トーマス・ホッグなどがプラント・ハンターとして紹介している。当時の日本は、彼らの知的好奇心をかきたてる対象だった証左となるように思う。
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