これも大分昔のお話です。
伊豆の某所にダイビングプールの建設計画がありまして、私も設計を担当いたしました。
プールの設計はそれまでに色々と経験しておりましたが、ダイビング専用のプールは初めてでございます。
25mの一般プールと4mの深さのダイビングプールの他に、研修管理棟、ロッカー室・浴室棟、ろ過装置棟などを作ったワケでございます。
(現在は営業されていません。)
ダイビングプールの大きさは、23m×13m×4mですから、水量は約1,200㌧もあります。
いよいよオープン間近という時に、水張テストをしているのですが、どうしても水位が満水にならないのでございます。
「もしかして、循環ろ過の配管から漏水しているのでは?」となりまして、現場は大騒ぎでございます。(|| ゜Д゜)ガーン!!
私は設備設計の担当でございましたから、オープン前の試験の立会いで、伊豆の現場に水着持参で来ていたのでございます。😅
前日に満水まで水を張っていたのに、翌日になると60cmほど、水位が下っているのでございます。
外からいくら見ても漏水箇所は発見出来ません・・。
循環ろ過の配管はピット式でなく、予算上の関係から、プールサイドに埋設してしまっていたのでございます。
循環口はプールの底から1mとプールサイド面から下に1mの2箇所あるですが、水位の位置から判断するとどうやら上部の配管から漏水しているようなのでございます。
現場は後3日でオープンでございますから、施主側のスタッフも現地に詰めていますので、もう真っ青でございます。
この時ほど配管を埋設にしたことを後悔したことはありません。
やっぱり不測の事態に対応させるには多少コストが掛かっても”ピット形式”にすべきだったのでございます。
とにかくこのままではオープン出来ませんので、急遽名古屋支店から応援部隊を呼んで徹夜で修理することになりました。
しかし、プールの水を抜いたのでは、空から満水にするまでに、どうしても3、4日は掛かるのでございます。
そこで水を抜かずに修理する方法をワタクシは考えました!^^)
プールの内部に何十箇所もある循環口の金物を外して、軟式のテニスボールを穴に入れようと・・。w
水圧がかかるから、絶対に柔かいテニスボールならピタっと穴にはまって止水出来ると思いついたのでございます。
σ(`・・´ )
直ぐに業者を町に行かせて、スポーツ用品店で軟式テニスボールを3ダース手配させたのでございます。
もう夜の7時を過ぎていたので、お店が閉まっていないかと心配しましたが、どうにか買って来ることが出来ました。
で、じゃぁ誰がプールに潜って、金物を外してボールを入れるのかということになりましたが、誰も潜れないと言うのです。
たったの3mぐらい潜れるだろうと考えていましたが・・。w
そこで、元水泳部初代主将のワタクシは立ち上がりました…!😤
σ(`・・´ )
私は一度もスキューバダイビングの経験はありませんでしたが、素もぐりのダイビングはガキの頃からやっておりましたので、自信満々でございます。 😤
(設計者が修理するなんて普通は考えられない話・・w)
客先の方も私が一般プールで華麗に泳いでいたのを知っておりまして、スキューバの機材を貸して欲しいとお願いすると、直ぐにスキューバダイビングを許可してくれたのでございます。
(貴方なら大丈夫だなと・・。w)
早速、インストラクターの手ほどきを軽く受けまして、初のスキューバダイビングでございます。w
イヤ~、もうなんて気持ちの良い事でしょう・・。
(*´д`;)…
水中で自由に呼吸が出来るなんて・・。w
夜の7時過ぎから始めた水中作業は、結局、夜中の3時過ぎまで掛かりましたが、予定どおりテニスボールで止水することが出来たのでございます。
ヽ(´ー`)ノバンザーイ
プールサイドを人力で掘り起こし、深夜、配管の継手が破損している場所を運よく見つけることが出来まして、無事に修理することが出来たのでございます。
ヨカターヨ・゜・(ノД`)・゜・
そんなワケで翌日からは、ダイビングプールで自由にダイビング機材を借りて遊ばせて頂きました・・。(笑)
テニスボールの回収と金物の再取付も当然、ワタクシが行いました…!😅
残念ながら、2020年12月で閉鎖されたようです。😭