伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

鑑真和上と戒律のあゆみ展

2021年04月11日 | 展覧会・絵
奈良の唐招提寺にある名高い鑑真和上坐像が京都に来るというので、
それを見たいがために「鑑真和上と戒律のあゆみ」展へ行って来た。





京都国立博物館
https://www.kyohaku.go.jp/jp/


https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/tenrankai/kairitsu_2021.html
凝然国師没後700年 特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ

2021年3月27日(土)~ 5月16日(日)

前期展示:2021年3月27日(土)~4月18日(日)
後期展示:2021年4月20日(火)~5月16日(日)


公式サイト
https://ganjin2021.jp/




唐招提寺にいつ行けるかどうか分からないし、
どこにあるのかも分からない。

本来なら像が安置されている唐招提寺そのもので見るのが
一番だとは思うが、
坐像が京都に来るのであれば、このチャンスを逃したくない、と、
この機会を逃せばいつ奈良に行けるか分からない。

それなら京都で見られるこの機会に見ておきたい。


そんなわけで、鑑真和上像を目当てで
「鑑真和上と戒律のあゆみ」展へ行こうと思った。







観覧料は高かった。
トマトカードを提示しても100円だけ安く、1700円。


チケット

そうして国立博物館はとても空いていた。

最近の展覧会はあまり人がいない。

自粛している人が多いのだろうか?
自粛して外出を控えている人が多いのかもしれない。


鑑真和上像が来るのだから、人がいっぱいだと思っていたが…




展覧会は3階から始まった。
3階から2階、そして1階へと降りていく。


始めは「東征伝絵巻」(重文)という鑑真の生涯を描いた絵巻が
展示され、鑑真が何度も日本への航海に挑む姿が描かれていた。



が、鑑真和上坐像はどこにもない。


舎利容器など(金銅舎利容器)、
舎利を入れる豪華で繊細な細工の容器が目を引いた。



あとはすぐに叡尊だの、法然だの、はては親鸞など、
仏教の教祖の肖像や、その功績などが展示されている。

経典も沢山展示されていた。


そこまで来て、この展覧会は鑑真そのものではなく、
「鑑真和上と戒律のあゆみ」展というタイトルどおり、
仏教と仏教における戒律のあゆみを、
明治時代に至るまでの日本での発展を追ったものと、理解する。

何だか、はぐらかされた感じ…がしないでもない。


最後にはフェノロサまで登場して、
彼が戒律を受けたという紹介まであった、ので…



しかし宗派を超え、
戒律の教えが連綿と受け継がれていったことだけは何とか理解する。

特に密教は複雑すぎて分かりにくくなっていく過程を、
様々な図像や法具を使い、
儀式を重要視していく流れも何となく理解する。

戒律には儀式が重要な役割を担っていたようだ。


展示の最初に置かれてあったリーフレットの、
「戒律と鑑真さん」という、鑑賞ガイドが分かりやすく書いてあって、
助かった。





戒律とは、戒と律とに分かれていて、
戒は仏教徒が守るべきもの、
律は僧侶が守るもの、罰則がある、

など戒律について分かりやすく説明してあった。

授戒とは儀式のようなものだろう。
それについて、時代ごとにどのように受け継がれて来たかが
展示されていた。


・・・・・

しかし、私はてっきり鑑真和上が中心の展示だと思っていたので、
何となく期待したものとは違っていた。


肝心の鑑真和上坐像は一階の仏像室の横に置かれていた。


ひと目で精神性の深さが感じられる感動的な像だった。
心を打つ静かな佇まいに見入ってしまった。





鑑真とともに日本にやって来た中国の仏師の手が入っていると
解説されていたが、
大陸の確かな腕の仏師が加わっていたと思われる。



写真で見ていた時には、閉じた目が窪み過ぎていて、
それが強調されていて、不自然なのではないかと思っていたのだが、
実物はまったく違っていて、ごく自然に閉じられていて、
安らかで柔和な精神を感じさせた。
鑑真和上の人柄までが分かるような像だ。

質素な衣服にはわずかに彩色が残り、その襞も自然だ。
奈良時代(8世紀)にこのような自然な、誇張がなく、
写実的な像が作られたことはすごいことだが、
仏師も誠実な人々だったのであろう。


像は何とも言えない静かで、何の不満もなく、
心のうちから人々を見守っているような、そんな感じがして、
感動的であった。


この鑑真像のためだけに1700円払っても良かった。
その値打ちはあった。

とはいえ、他の展示品は難しすぎて、よく分からず、
鑑真和上坐像だけ見て来たようなものなのだが…。


他は日本仏教における、戒律と授戒の歴史を俯瞰したものだった。
延々とそれは受け継がれていたものであった。


鑑真さんだけでは展示品が少なすぎたからだろうか…、
などと考えてしまった。
分からなくてすみません

けれど鑑真和上坐像がメインビジュアルなので、
誤解するのも無理もないと思った。



京都国立博物館では次の展覧会が、「京の国宝」


特別展 京(みやこ)の国宝―守り伝える日本のたから―
2021年7月24日(土)~9月12日(日)



これも楽しみ




京都国立博物館は相変わらず素敵だった


画像はリーフレットから借りました



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