伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

京博の雛まつりと人形展

2025年02月26日 | 展覧会・絵

毎年恒例になっている京都国立博物館の「雛まつりと人形展」へ行って来た。
特集展示という形で1階でのみ展示のちょっとした展覧会だが、
3月3日の雛まつりの時期に合わせて京博が毎年雛人形を展示するのだ。



京都国立博物館
https://www.kyohaku.go.jp/jp/

名品ギャラリー 特別企画・特集展示 雛まつりと人形
https://www.kyohaku.go.jp/jp/exhibitions/feature/b/hina_2025/
2025(令和7)年2月15日(土)~ 3月23日(日)
京都国立博物館 平成知新館1F-2


名品ギャラリーの特集展示というのは常設展示の扱いのようだ。
通常の展覧会より値段が安い。
自分は招待券で行って来た。


雛まつり展示は1階だけだが、エレベーターに乗り3階から見てゆくように促される。
3階と2階には常設展示が公開されていた。
京博の所蔵品や寄託品を折々で入れ替えての展示だ。

雛まつりの雛人形を見る前に常設展示も見て回った。
(今回はいずれも撮影禁止)





3階は陶磁と考古資料が展示されていて、
陶磁のコーナーには仁清の焼き物があり、
また尾形光琳・乾山兄弟が共作した重要文化財に指定されている、
寒山拾得を描いた角皿が思いがけず展示されていた。
すごく好きな作品なので展示されていて嬉しかった。

考古の部屋には古墳時代の巨大な銅鐸や三角縁神獣鏡などが展示。
古墳時代の甲冑には驚いた。当時、すでに精巧な甲冑が作られていたのだ。
大きくて体格が良い人のもののようだった。


2階では絵巻のコーナーにお正月に見損ねた「十二類絵巻」が
これも思いがけず展示されていて、得をした気分になった。
だが、十二類絵巻の一番有名な場面でなく、
見たことのない場面が展示されていた。
(十二支の動物とそれ以外の動物たちが戦う場面)
古いものだけあって紙がかなり劣化していたが、それもなかなか味があった。

2階には他に涅槃図がいろいろ。
そして目を引いたのは画家たちのスケッチ画だった。
狩野派の狩野探幽による探幽縮図と言われる写生画が秀逸だった。
狩野派も野に出てさまざまな植物を写生し、手控えとしたのだ。
それを手本として本画を描いたのだろう。
スケッチや写生にこそ画家の本領が発揮されると思っているので、
写生画は大好きだ。
探幽の写生画も見事だった。
単に几帳面というだけでなく、花や草に命があった。
応挙の写生画もあった(ような気がする)←記憶力が💦


1階へ降りると仏像室がある。
そこに家の近所にあるいちひめ神社という神社の所有する
赤ん坊を抱いた女神像が展示されていてびっくり。
京都国立博物館に寄託しているのだろう。
いちひめ神社は女性守護の神社である。
八坂神社所有の重要文化財に指定されている狛犬も展示されていて、
狛犬も古くなれば重文に指定されるのだと思った。



さていよいよ1階奥にあった一室、雛まつりと人形のコーナーへ行く。

雛人形の始まりとされる、紙や木で出来た簡素な人形を、
人間の穢れを祓うヒトガタとして川などに流す行事に使われた初期の立ち人形から、
江戸の雛飾りとは違う上方の豪華な御殿飾りまで、
博物館の1階の一角にさまざまな雛人形と、
京都で製作された御所人形などが飾られていた。


まず雛人形の初期、江戸時代初期の寛永雛というのは、
簡素な造りで座った姿だが腕が曲がっていなくて伸ばしたままのものだった。




その次の時代の享保雛は装束が十二単になり公家装束となり
女雛の冠が豪華に。
毛髪も毛植えとなる。
うちの家にあったお雛さまの冠も装飾がびらびらあって豪華だった。
最近の女雛の冠は省略したような簡単なものになっていて物足りない気がするのは、
昔のお雛さまの記憶があるからだろう。




江戸の雛人形は段飾りだったが、上方のお雛さまは御殿飾りが一般的だったという。
御殿飾りというのは、文字通り御殿が設えられていて、そこにお雛さまを配置したもの。



展示されていた御殿飾り2つは両者ともとても豪華で巨大だった。
屋根つきの御殿の奥にお内裏様が座っていて、
前の庭に5人囃子などがいて、
内裏へ続く廊下に三人官女が歩いているところを人形で表していた。
屋根が茅葺きと思われるほど精密に出来ていた。


手前にはミニチュアの雛道具が置かれている。
本格的な漆器の茶碗などで、実際に節句にはそれらを使って子供が食事をしたという。
奥にはおくどさんが。

いずれにしても御殿飾りの御殿が巨大なので確実に八畳くらいの一部屋が必要だし、
あのような豪華な御殿飾りで節句を祝う家は、
さぞや豪商だったのだろうと思えた。

保存状態もとても良く、漆器などの雛道具一式はぴかぴかで、
今も使えそうで驚くばかりだった。


ほぼ毎年見に行っているが家で飾らなくなった分、博物館の雛飾りは楽しみだ。
展示は雛飾りのほか、京都で作られた御所人形などもあった。

衣装人形というものもあった。
遊女や若衆など様々な風俗の衣装をつけた人形のことで、
現代の土産物にあるガラスケースに入った人形の原点かなと思った。


展示を見終えてロビーに出ると、
なんと、京博のマスコットキャラクター、トラりんがいた(◎_◎;)。


とても愛想が良く愛嬌を振りまいていて、私もハイタッチをしてもらって大喜びした。
なぜか耳に桜?の花をあしらっていた。
このトラりんは尾形光琳の「竹虎図」という絵の虎がモデルになってる。
かわいくて大好き。





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