「葉月十五日ばかりの月に出で居て、かぐや姫いといたくなき給ふ。人目も今はつつみ給はず泣き給ふ…」
やれやれ今日も遅くなったな…と事務所を出て何気なく空を見上げると七日月がすこし膨らみかけています。
そういえば今年の中秋の名月は9月12日来週の月曜日です。竹取物語ならば今頃ミカドの命令で建物の周りから屋根の上まで兵隊がビッシリ待機している頃です。もちろん屋敷の中には爺さんの虚しい欲に心痛めながら空へ帰ろうとするかぐや姫を婆さんが必死に引きとめています。
一方、当家では姫君たちが無防備に腹出して寝ています。
「ところで姫よ。いったい小判がザクザク出てくる竹はどこにあるんじゃ?」そろそろご褒美が欲しい翁はそっと尋ねましたが残念ながら彼女たちは夢の中…『もう食べれん』