内田康夫著:靖国への帰還。
浅見光彦とは違う作者の強い想いが込められた作品。
1934年生まれというから昭和九年か。
戦時中はまだ子供。
世の中は戦時色一色。多感と言うにはまだ少し早い。
けれど男の子であれば遊びも戦争に関わるようなものだったであろう。
終戦によりそれまでの価値観が変貌を遂げた。
それが氏を突き動かしこの本となったのだろうか。
終戦の僅か前に飛行機乗りとして首都圏を爆撃に飛来するB29を迎え撃つため飛び立つ。
その中で被弾し帰還する基地の近くで意識が朦朧となり、60年後の現代にタイムスリップする。
まだ半分ほどしか読んでいない。
靖国神社が出てくる。当時は死んだら靖国で会おうと。
そんな本を読みながら頭に浮かんだ言葉。
安倍首相が被害地その他で亡くなった方に語り掛ける言葉「哀悼の誠をささげる」。
かならずそういう言い方をする。
一般的には「哀悼の意を表す」だが、彼の場合違う。
必ず「誠」である。新選組の旗印「誠」である。