ゑびす丸 大漁小言

陸前高田の釣り士、ゑびす丸の船頭ブログです。

船沈むぞ

2018-03-12 | 日記
双眼鏡で見てんだが、お前の船随分傾いてんぞ!
沈んでんじゃないか?

8日から降り続いた雨。春の嵐どころか地球滅亡の予兆とも思える今どきの豪雨。
朝5時半に携帯が震え、どっか土砂崩れでも起きたか?と消防本署からの緊急連絡と思ったら
それ以上!俺にとっては危急存亡の連絡!

慌てて寝巻のまま港へ。
すんげ~傾いてやがる~沈む沈む~~~
なんと、艫のスカッパ蓋を開け忘れてやがった!
右舷腹を見せながらアップアップしてるゑびす丸。

直ぐに腕を伸ばして外しにかかるが、水圧でなかなか蓋が回らない。
渾身の力でやっと外すも、右手親指と人差し指が血だらけになる。

なんてこった、ガスタンク入ってるカメにまで雨水が~
必死で水垢を掻き出すも、土砂降りなんで時間がかかる。
自身を呪う始末に~仕事も手につかない!

ってこたあないですがね、プロですから仕事はキチッとこなしました。
日曜の11日は朝から乾燥と補修作業。

なんだユウ坊、沈まながったのか?(沈んでねえよ)
オメらしぐもねえな~(ほっとけや)
ちゃんとフタ外すんだぞ(ハイ)
エンジンは大丈夫がや?(いっそ保険使って新品にしてえよ)
まだ見てやっからよ(恩着せがましい、だったらフタ外しといてくれや)



幸いにお日様が当たり、若干の風も吹いて水道水で洗ったカメもみるみる乾きました。
クリートをボルト付けし、フェンダーを替え、ロープを張り直す。
右舷をイカダにつけるクセがあるから、フェンダーを3つ並べます。
艫の防舷材も張り直して、電動ドリルのバッテリーが切れるまでコキ使った。
なんだかんだで昼前いっぱいかかりました。
ガッツ見せたな!ゑびす丸よ。
偉いぞ!

と、眺めているとゲスな釣り人が帰港してきた。
なによ~出なかったのか?と慣れた口調で話しかけてきやがる。
いや~補修セにゃならんかったから~と穏便に言うと、今日は養殖船も出なかったぞ と。
やっぱ、船出ないと釣れね~な。アンタは出てると思たんだがさ~ときた。

キレた!
当たり前だべヨ!今日は震災日だぜ。
アンタぐらいだよ!1500人も死んだ日に釣りに行ってるゲス野郎はな!恥を知れボケナスが!
鼻白んで応えると、怒ったのか黙りやがった。
ここぞとばかりに、罵倒し、罵り、来年のこの日に出やがったら、オマエ沈めるぞ!!!!
ビビりまくって、船外機もアップせずに逃げ帰りやがった。

俺は人格無いが、ゲスじゃあない!
山道走って帰れと言った事務所の部下は車ごと流された。
屯所に来いといった消防の部下も流された。
流されてる車の窓から孫を出した近所のおばさんも沈んだ。

この日だけは海はクソだ。
まあ、当たり障りない会話してきたんだろうが、それにキレる俺も、この日はクソになる。

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