その高い壁を乗り越えて進め!
19,20歳の青臭いセリフだな。
堤防工事もいよいよ最終盤。
長かった工期が終わるな。
船揚げ場も新設となって、船底のゴミすら片付けないとならんな。
震災前は気にしたこともない。
ゴミは波が洗ってくれる。
順番にこの10年を振り返りましたが、随分と物々しくなりましたね~
震災前の堤高は5m、現在は12,5m。
以前はそれでも高かったな。
海側は若干斜めに寝そべりつつ、トップでオーバーハングしてた。
陸側は45度の支えコンクリで固めてあって筋交いを成していた。
ガキの頃の遊び場だ。
度胸試しはその45度を直にチャリで下ること。
それが出来ないと仲間として認めてくれない。
何度転んでも、やらなきゃ遊んでくれない。
擦り傷には潮水を塗りたくって済ます。
海に浸かってれば5分で血は止まり、適当に昆布を巻いてれば治ったしな。
パンクは毎時、スポークさえも外れた。
それを年長の先輩が修理してくれる。
年上は面倒を見、年下はそれを敬う。
自然と上下関係と仲間意識が築かれていった時代だった。
堤防一つとっても、変遷を感じざるを得ない。
これからの子供たちはこの新しい壁を、どう工夫して遊ぶんだろう?
バンジーか? クライミングか? まさか90度でチャリではないだろうが、、、
どうやって人間力を学ぶんだろう?
大人は、危ないから! と諫める。
ここまでは何とかだが、こっからはダメだ。
自身で察知する力をつけないまま、本来備わってる能力を活かせないまま育ててしまう。
これでは、脇ノ沢のマコと一緒だ。
ぬくぬくと生存競争しないままで釣られてしまう。
独りでは何もできない。
例えばこの台風上陸の際、浜の人がゑびす丸の艫綱を結び直してくれていた。
普段150mmくらいの艫綱でアンカーから流してるが、長過ぎと察してくれたんだろう。
雨台風だからさ、、、と本人は考えてたが、台風だけに風も結構だった。
こんなことは、浜に船を舫いでいる仲間だからこそやってくれる。
盆暮の付け届けなんて関係ない。
この地で共に育ち、生きているからこそやってくれる。
ガキの頃一緒に泣き笑いしたからこそ、やってくれる。
これこそが持続可能なスキルなんじゃないだろうか?
仰々しくSD何とかって叫ばなくとも、何のことは無い。
面倒を見て、それを敬う。
それだけでいいんだ。
親父はどこも出稼ぎで家にいなかったし、いれば酒浸りだった。
満足な生活とは程遠かったが、それでも面白かった。
無骨だけど優しかった先輩や周囲の浜の人たち、、、
ついでに、船外機を50馬力に換装しててくれれば尚、いんだがな~~