『忖度(そんたく)』
7.大阪府は設立認可適当とした。
⇒ 英語にする時には、想像力が大事である。訳せない時、言葉にとらわれて想像力を使っていないのではないか自問する必要がある。語彙の不足を補うものは、考える力と想像力である。
想像すると、なぜ良いのか?具体的に考えられるからである。場面設定等がはっきりする。
今回の課題『大阪府は設立認可適当とした』というのも難しい日本語が目白押しであるが、そんな時こそ想像力の出番である。
自分が大阪府の担当者(許認可の担当)で、籠池氏が認可申請に府庁にやってくる場面を想像する。
大阪なので関西弁(!?)で考える。
前回の課題の流れでいくと、
『籠池氏は大阪府に小学校設立認可の申請を行なった』というのが、簡単に言うと以下のようになる。
⇒ 籠池氏:『新しい学校を作ってもええ(いい)かな?』
⇒ Can we make a new school?
ここで今回の課題『設立認可適当とした』となるわけだが、『認可適当』ということは要するに『よい』ということである。先の流れでいくと、『ええ(いい)かな?』と問われているので、当然答えは、yes か no であり、
大阪府庁の担当者の立場で言うと『ええよ』となり、単純に言うと
Yes, you can. となる。なんかオバマ前アメリカ大統領みたいになるが(Yes, we can)。
まとめると、
・Mr. Kagoike asked Osaka prefecture "Can we make a new elementary school?"
Osaka prefecture said "Yes, you can."
・Mr. Kagoike asked if he could make a new school in the future. Osaka prefecture said yes.
想像したら、英語は簡単になる。
『目を閉じて心開いて』(三宮麻由子 著)という本がある。4歳の時に視力を失った全盲の方が書いた本である。
点字で源氏物語や千夜一夜物語他、数多くの文学作品に親しむこの方は、山に行けば樹木に触れ、鳥の声に耳を澄ませ、川のせせらぎ、花の匂い、そよ風から広大な自然を心に描き出し、想像の力だけで大自然の美を堪能する。
恐らく見えている人には見えていない、広大な世界が盲目の人(の心の目)には見えているのだろうと思う。目に頼っている者には無い鋭い感性を、目が不自由な人は恐らく持っている。
目が見えないと不自由極まりない。しかし物理的視野に頼り切ることで、我々は多くのことを見失ってしまっている可能性をこの本は教えてくれる。目に頼ることで、我々は心の目、即ち想像力という宝物を失っている。
この本の副題は『ほんとうの幸せって何だろう』である。
サンテグジュペリの童話『星の王子さま』の有名なセリフ『本当に大切なものは目に見えない』Anything essential is invisible to the eyes. を引き合いに出しつつ、著者は想像力こそ多くの課題に直面する現代人に必要な希望の源泉であると説く。
英語の学習に関しても同じなのではないだろうか。
この著者は目が見えない。読書に際しては点字の点だけが頼りである。
しかしこの人にとって点字の点は単なる点ではない。宇宙大にまで広がる想像力を紡(つむ)ぎ出す無限の可能性を秘めた『点』なのである。
著者は言う、『希望がもてなくなりそうなときは、一度目を閉じてみよう。目を閉じて、あなたの心をあらゆる方向に開いてみよう。どんなときにも、希望はその人のために用意されているはずである』。
日本語をじっと見て、英語で言えないのなら、いっそ目を閉じたらよい。目を閉じて、心の目で見ればよい。そうすれば言葉の端々に惑わされることなくその日本語の内包する、いわば言葉の『心』が見えてくる。そういったことを日本では古来より『心眼を開く』と呼んできた。
英語が話せない、読めない。そう嘆く前に我々英語学習者にはもっとやるべきこと、できることがたくさんある。
この盲目の著者はそう教えてくれている気がする。
Give free rein to your imagination!(想像力を自由に羽ばたかせて!)
以上。
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