考える英語 (英作で英会話上達!)

身の回りの事から、社会情勢まで、幅広い事柄を、自分の知っている簡単な英語で表現していきます。英会話教室をやっております。

英作『大相撲7(物言いがつく)』

2018-07-25 13:59:24 | 英作 解答

『大相撲』

7. 取り組みに物言いがつく。

⇒ 取り組みとは、試合である。だから game や match など。

問題は、『物言いがつく』である。

これは、どういう意味だろう。

まず状況を考えてみる。

相撲取りが、土俵で取り組みを行って、勝敗を決する。そしてそれを、最も間近で見ている行司が判定を下す。行司は、他のスポーツにおける、いわゆる審判に該当するので refereeと考える。

英語で説明してみると、

Two sumo wrestlers fight in a ring called "dohyo". There is a referee near the wrestlers. The referee is called "gyoji". The referee watches the game closely and he decides who the winner is. 

行司が判定を下す、は他にも考えると

The referee judges who the winner is.

The referee can tell who the winner is.

The referee can say who the winner is.

Winners and losers are decided by gyoji.

Winners and losers are judged by the referee. 

だいたいこんな感じだろうか。

さて、その行司の下した判定に『物言いがつく』わけである。

先ほど、物言いがつく前の状況を英語で考えてみたので、流れがわかりやすくなるだろう。

物言いがつく、ということは、誰が物言いをつけるのか。土俵の周りにいる親方(審判部長、委員)である。

Oyakata is a sumo master.

Oyakata is a sumo leader. 

Oyakata is a head of sumo groups. 

親方を説明するとなると、こんな感じで言えるだろう。

その親方衆が物言いをつけるわけである。

物言いをつけるとは、要するに、親方は、行司の判定に不服なのである。つまり反対なのである。簡単に言うと『行司が正しいとは思わない』ということである。したがって『正しい』という意味のright を使い、

・Sumo masters don't think the referee was right. 

 

逆に考えると、『行司が間違えていると思っている』ということになるので、

・Sumo masters think the referee was wrong. 

・Oyakata masters think the referee's judgement was wrong. 

 

誰でも知っている right と wrong だが、その知っている英語を使いこなすことはなかなか難しい。

なぜか。

日本語にとらわれるからである。

今回の場合なら、『物言い』という日本語の語感に引っ張られて、英語で何と言うのかわからなくなる。

日本語に引っ張られ過ぎて、思考停止におちいるのである。

思考停止せずに、我々は考えなければならない。

少しだけ立ち止まって、『物言い』とは何か、考えるだけで、物言いという伝統的な日本語表現が、本当はどういう意味なのかがわかる。

少し考えれば、物言いは、『違うだろう』『ちゃうわ(関西弁)』と言っているだけであり、英語にすると 

You are wrong!  と言っているに過ぎないことが判明する。

物言いがつく、ということは、行司の判定が間違っているのではないか、と(親方達)が言うわけなので、mistake を使い

・Oyakata masters think the referee (has) made a mistake.

・Oyakata masters think the referee has made a mistake in his judgement. 

 

物言いがつく、ということは、勝者は本当の勝者にあらず、ということなので

・Oyakata masters don't think the winner is not the real winner. 

 

物言いがつく、ということは、行司が悪い判断(選択)を行なった、と考えて

・Oyakata masters think the referee has made a bad choice of the winner. 

悪い判断(選択)ということは、間違った選択なので

・Oyakata masters think the referee has made a wrong choice of the winner. 

物言いがつく、ということは、本当に(判断が)あっているのかどうかと思うことなので、wonder ifを使い、

・Oyakata masters wonder if the referee is really right. 

他にも、

・Oyakata masters don't agree with the referee's judgement. 

・Oyakata masters disagree with the judgement the referee has made. 

・Oyakata masters oppose the judgement of the referee. 

・Oyakata masters are against the judgement of the referee. 

・Oyakata masters complain to the referee after the referee has made the judgement. 

 

物言いをつけるとは、行司の判定を覆そうとすること。ということは、行司の判定を変えることなので、

・Oyakata masters try to change the judgement of the referee. 

 

物言いをつけるということは、行事の判定と異なる意見を持っていることなので、

・Oyakata masters have different opinions about who the winner is.

 

・Oyakata masters are not happy (satisfied) with the referee's judgement. They want to change the result. 

 

考えれば色々ある。

色々な相撲にまつわる英訳の例をご紹介しているが、私はいつも相撲について考えているわけではない。

相撲に精通している訳でも何でもないが、普通の日本人の感覚として、例えば『物言い』とはどんなことか、だいたい分かるといった程度の認識である。日本に生まれ、日本で育った者としての、普通の常識の感覚で、『物言い』を始めとする、相撲を取り巻く言葉の考察をしているだけだ。

何が言いたいのかというと、我々は、ある事柄を英語にする時に、あまりにもその事柄や事物を知らないと思い過ぎである、ということである。

あまりにも、自分には無関係であると思いすぎである。

 要するに、自分にはできない、わからないと、あきらめすぎなのである。

『物言い』とか『邪気を払う』にしても、相撲やら神道特有の言い回しなので、私にはわからないと、お手上げになる。

本当は少し考えたら、わかることかもしれない。しかし考える習慣がないと、こんなの知らない、と戦う前から白旗を上げて、和英辞典、機械翻訳に頼ってしまう。

 言い方がわからないという度に和英辞典を調べていたら、いつになったら自分で考えるのだろう。いつになったら自分の英語で戦うようになるのだろう。

 

外国人が話したいのは、あなたである。

和英辞典でも機械でもない。

ボロボロの英語でもよい。

感情のこもった、あなたの声が聞きたいのである。

 

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英作『大相撲6(四股踏み・邪気を払う)』

2018-07-05 14:12:30 | 英作 解答

『大相撲』

6. 四股踏みとは、本来邪気を払う儀式である。

⇒ さて、『四股踏み』である。

目の前に外国人がいるとして、今すぐに英語で説明するとしたならば、と仮定することは、英語のアウトプット練習に効果的である。

今すぐ英語で言うとしたならば、何と言うだろうか。

日本的事象という、日本固有の事物を英語でいう場合、一番簡単なのが、類似物を探すことである。

四股踏みは、何に似ているか。

スクワットである。

日本固有の物を説明する際、似たようなものが西洋の何に該当するかを考えることが、一番説明としては、わかりやすいだろう。

さて、四股がスクワットだとして、それを具体的にどのように英語に表現するか。

四股踏みは、スクワットに類似している、ということは、あたかも~のようだ、ということ。英語で言うと、like が使える。

例えば、彼はオバマ氏に似ている、というのは、He is like Obama. He looks like Obama. となる。よって、四股踏みに関して英語で言うと、

・Shikofumi is like squatting.   (or a squat) 

基本的にこれでよい。あと少し補足するといいだろう。この補足というのが大事である。自分の知っている範囲でよいので、その事柄をどこまで描写できるかが大事である。

補足すること、そして描写力が通じる英語を話す鍵となる。単に単語を置き換えただけで通じるほど、英語(国際的コミュニケーション)は簡単ではない。本当にそのことを伝えたければ、様々に表現に工夫を凝らす必要がある。そういう意味で、英語力とは単語力ではない。絶対に伝えるんだという強い意志である。

 動作にクローズアップしてみる。

・Shikofumi is like a squat. You raise one leg (or foot) high and you put it down on the ground. Next, you raise the other leg and put it down. 

足を上げる、という所を、raise の他 lift, move ,bring なども使える。

・You lift your left leg and put your foot down on the ground. Then you lift right one high and put it down. 

・You move one leg up and move it down. And you bring the other leg up and bring it down. 

足の上げ下げの後、体を下げて地面に手を付けるので、

・You lower your body and touch the ground. 

簡単に言うと概略上記のような動作になるだろう。

 

 『邪気を払う』とは何か。

恐らく和英辞典や、ガイドブックなどは、

・to drive away evil spirits. などと説明されているのが多いだろう。evil とは悪い、邪悪な、という意味。

literary という言葉をつけて、

・It literary means to drive evil spirits away.  逐語的(文字通り)に訳すと、それは悪い精神を追い払うことを意味する、などと言う。

しかし、英語という語学において、答えは一つではない。

邪気を払う。その意味を考え、四股を踏んで邪気を払うことの意図と目的を考えれば、様々な英語訳の可能性があるはずだ。

四股踏みを行う目的は邪気を払うことである。なぜ邪気を払うのか。運気をよくして幸せになるためである。ということは、意味的に考えると、先の英作問題で既出の『清める』というものと似ていることが判明する。

・Shikofumi is a kind of ceremony to bring good luck. 

・Sumo wrestlers do shikofumi for a good luck. 

・You become lucky by doing shikofumi.

・Everyone becomes happy and lucky by doing shiko.

・Good luck comes if you do shiko. 

・Shiko makes you lucky. 

 

『四股踏みとは、邪気を払う儀式』とは、簡単に言い換えると、『四股踏みをすれば、神様に守ってもらえる』と解釈できる。

・God helps you if you do shiko.

・God protects you if you do shiko.

・You get God's protection if you do shiko.

・Shiko means to ask God to protect us. 

・Shiko means a prayer to God.  (→邪気を払うということは、一種の神事であり、神事とは、神への祈りを通して、災厄を避け、招福を意図するものであろう。よって邪気を払おうとする行為は、即ち祈りであると考えられる。)

神仏の加護を受けることで得られること、即ちご利益は何か。災難から逃れること。要するに事故や病気怪我をしないようになる。それが『邪気を払う』ことの具体的な内容であろう。よって、

・Shikofumi is a kind of ceremony to keep you away from accidents or some disease. 

・Sumo wrestlers do shiko to make sure nothing serious will happnen to anyone. 

・Shiko keeps you away from bad luck. 

・Shiko prevents you from becoming unlucky. 

邪気を払うための四股踏み、という神事を行う相撲取りは、邪気を払うという特殊な能力が付与されているとして、

・It is believed that shiko has special power to avoid bad luck.

・Shiko has spiritual power to prevent bad things from happening. 

邪気を払える、ということは、神の意に沿う事を行う必要がある。神の意に沿うということは、その結果、神は満足(?)なはずである。よって

・You do shiko and God is happy(,maybe).

 

一応まとめる。

目の前の外国人に『四股踏みとは、本来邪気を払う儀式である。』を伝えるとする。私なら何と言うだろうか。

・Shikofumi looks like a squat. Sumo wrestlers do shikofumi before a sumo match. Shikofumi is a kind of ceremony to bring good luck. 

 

『本来』という箇所を強調するならば、originally などがある。文でも言える。『本来』ということは、理由であるので、the reason why they do shiko is ~ でもよい。いっそのこと、Why do they do shikofumi? Because they want to bring good luck. 等としてもよい。柔軟に考えることが表現力を向上させるコツである。

 

四股踏みを知らない外国人に、shikofumi と言ったところで伝わらないのは明白である。

相手の知識量に基づいて、説明を変幻自在に変えられることこそ、本当の英語力であるし、コミュニケーションのあるべき姿であろう。習慣も言葉も歴史も違う、全くバックグラウンドが異なる人同士が、単に単語を置き換えるだけで簡単に意思疎通できるわけがない。単純な事柄ならまだしも、日本の伝統など、複雑な事柄は特にそうである。英語は暗記も大切だが、単なる暗記を超えて、相手の立場を考えて、もし相手がわからなければ、必要に応じて、わかるまで言葉を尽くして説明できることが、我々の目指すべき英語の姿ではないだろうか。

 

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