【Tokyo Metropolitan Government】
9. 都政の混乱に終止符を打つ。
⇒ この発言は都知事選で増田候補が言っていた言葉である。
字面だけを見ていては、英語にはしづらい。特にこういった感じの多少ややこしい日本語の場合は特にそうである。
いつものように、まず考える。
都政の混乱とは一体何であろうか?
なぜ混乱しているのか?
前都知事が公金の私的流用疑惑があり、辞める辞めないの騒ぎがあり、都民の信頼を失ったこと。それら一連の出来事を『混乱』と言っている。
『混乱』とは何か?
『混乱』とは、良いか悪いかで言うと、悪いことである。悪いことであるということは『問題』である。都政が混乱している、ということは言い換えれば『都政は問題』がある、ということである。よって、
・Tokyo Metropolitan Government has a problem.
問題があるどころか、難問山積である。山積しているとは、問題がたくさんあるということなので
・Tokyo Metropolitan Government has many problems.
考えてみれば、『都政の混乱』=『都政は難問山積』=『都政はたくさん問題を持つ』 ということで表現が異なるだけで意味、事態は全く同じだということが判明する。
『混乱』=『問題』であるとして、では『終止符を打つ』はどうなるか?
『混乱』であれば、どう『終止符を打つ』かわからないが、『問題』であれば、することは『解決』となる。『解決』は英語でsolve であるので、
・Tokyo Metropolitan Government has many problems. I will solve the problems. となり、極めて簡単で正確な英語となる。
I はこの場合候補者自身を指す。少し肉付けをして
・Tokyo Metropolitan Government has so many problems. I will solve all these problems. Trust me.
so や all these (これら全て)、trust me(私にまかせて)を補足するだけで、説得力が増すようになる。
・Tokyo Metropolitan Government has so many problems. I am the one to solve all these problems.
I am the one で『私こそが』『私しか』という意味が強調される。『終止符を打つ』という大げささの度合いを含めることができる。
他にもfix という単語がある。直す、修理するという意味である。これを使うと
・I will fix the Tokyo Metropolitan Government. (私は都政を立て直す) と使える。
お騒がせのトランプ新アメリカ大統領の著書に、How to fix our crippled America. というものがあるようだ。ひどい状態にあるアメリカをどう立て直すか、というタイトルであるが、次々と大統領令(executive order)を連発して米国内外を混乱させている。How to fixというよりdestroy(破壊)?と思ってしまうが、どうなっていくのだろう。
ちなみに坂本龍馬の『日本を今一度洗濯し候』の洗濯は、wash や do the laundry ではない。上記のfix が使えるだろう。
・I will fix Japan (now).
試みに『日本を今一度~』をネット翻訳にかけたら I will wash the Japanese again. と出た。私は日本人を再度洗う?機械には坂本龍馬の熱き志は理解できない。普通の日本人であれば、『日本を洗濯』となれば、日本を改革するという意味だとはすぐ分かるだろう。本当に服を洗濯するなどの場合などの単純な物理的事実を述べるだけならば、機械翻訳は得意だろう。しかし上記のような比喩的意味などの場合は、機械翻訳はお手上げである。この事実を、英語学習者にはよく覚えておいて頂きたい。機械にとって言語は単なる記号に過ぎない。しかし我々人間にとって言語は、単なる記号などでは断じてない。記号を超えて我々の精神は、奥深い意味を推し量ることができる。物事の意味を知ることができるという精神の真価を、我々は本当に認識しているのだろうか?機械(ネット翻訳等)は道具である。それらの道具を使いこなせるかどうかは、我々人間の腕にかかっている。
以上。
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