銀色の虹がかかる
砂漠の夢を見た
あの虹の向こうにいけば
おれの耳の中に住んでいる
緑の小人から
逃げられる気がした
他人の花を盗もうと
おれが真夜中に出かけるたびに
小人はおれの耳の中で
泣き叫ぶのだ
うるさくてたまらない
いいじゃないか
他人の花を少し盗むくらい
向こうはいくらでも生えてくるんだから
少しくらい盗んでも
わかりゃしない
おれがそういうと
小人はひいひい泣いて
耳の中で暴れるのだ
苦しくてたまらない
銀色の虹がかかる
砂漠の夢を見た
あれを超えていけば
おれは小人から逃げられる
そんな気がした
でも足元を何かに固められて
なかなか前に進めない
目を覚ますと
小人がおれの中で
このままではおまえはだめになると
ささやくのが
聞こえた