冷たい灰色の幸福に
魂を吸い取られ
俺はどんどん
あほうになってゆく
空っぽの着ぐるみに
盗んだ林檎を詰め込まれ
おれはだんだん
暗い深みに落ちてゆく
天国のような
地獄に
黄金の衣装を着た
まぶしい聖者になることが
極上の幸せだと
誰が俺にささやいたのだ
何でも俺の言うことを聞く
魂のない美女と
結婚することが
最高の男の幸せだと
誰が俺に教えたのだ
愛が何もない
暗闇に濡れた
極上の天国に閉じこめられ
俺は魂が
孤独にひび割れていく
音を聞く
すべてがあるのに
何もない
地獄のような一生を
ずっと生きていかなければ
ならない