コカブです。今日は高等教育について考えてみましょう。
中学や高校生になると、子供もだいぶ手ごわくなってきます。教師の弱点を見ぬき、内心教師を馬鹿にし始める子供もいます。
国語や数学を学ぶことも大事ですが、学校教育の一番の欠点は、人間としての美しい生き方を教えられる教師がほとんどいないということです。社会人としてのルールを守ることは教えられますが、より高い人格を目指すためには何をすればいいのかということを、教師は生徒に教えることができないのです。なぜなら、教師ですらそれを知らないからです。
知識を与え、肉体的鍛錬をさせるだけでは、教育になりません。教師本人が人間の優れた生き方ということをつかみ、それを生きていない限り、まことの教師とは言えません。
まずは、自分の心をちぎる、という訓練を試みてみなさい。わたしたちには簡単なことですが、人間にはまだこれができない人が多いのです。心をちぎるということは、人生は自分の思いどおりにならないということを知り、自分のわがままや子供っぽいプライドをちぎり捨てるということです。そして皆の幸せのために生きて行くということの、真実の幸福を理解することです。
子供は人形ではありません。知識を教えるだけでは教師とは言えません。生徒を愛し、どうやってこの難しい社会を、自分を裏切らずに生きて行けるのか。その見本となれるような生き方ができなければ、真の教師とは言えません。傷つくことを恐れずに、生涯、自分の壁に挑戦し続けていきなさい。ひとりの人間として、愛のために、真剣に生きている自分の姿を、生徒に見せられるような教師になっていきましょう。
仕事をして給料をもらっていればそれでいいと、安易に流れ、生徒たちの若さに内心嫉妬を感じているような教師が今はたくさんいます。そんな教師がいれば、生徒たちに、美しい大人としての生き方を教えられるはずがありません。
学校では学べない自分の生き方を、子供は漫画や流行歌から学びます。しかしそれでは、真に高い人生を学ぶことはできません。人間はこの世界でどうやって生きたらいいのか。それを真剣に考えることのできる教師が必要です。世間の常識を恐れてはならない。人間の真実の生は、過去になされてきたことの中にはありません。そこを土台にもっと上に伸びていく。それが真実の生なのです。
正直な自分を見つめ、何をなしていくことが自分の真実なのか、それを考えることのできる人間を育てるために、教師こそが真面目にそれを考え、行動する勇気を持っていなければなりません。