世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

鉄球

2024-10-08 01:31:34 | 詩集・こどもたちへ

虚しさのうつろを
鉄の球のように飲み込んで
馬鹿が生きてゆく

すべては嘘だと
わかっていながら
穴に縛られて動けない
自分を嗤うこともできない

どうしてこんなことになった
どうして

遠い昔
猿よりも幼かったころに
神を馬鹿にしたからだ

蝶の翅を盗んだ
芋虫のように
派手にきらびやかな
自分を衒い
おれは神より偉いと
嘘をついたからだ

鉄の球のように重い
闇を心臓に飼いながら
馬鹿はどんどん
おかしなものになってゆく

裏切りの十字架に張り付いた
偽物の聖者のように
人々にあがめられながら
魂が死んでゆく




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