虚しさのうつろを
鉄の球のように飲み込んで
馬鹿が生きてゆく
すべては嘘だと
わかっていながら
穴に縛られて動けない
自分を嗤うこともできない
どうしてこんなことになった
どうして
遠い昔
猿よりも幼かったころに
神を馬鹿にしたからだ
蝶の翅を盗んだ
芋虫のように
派手にきらびやかな
自分を衒い
おれは神より偉いと
嘘をついたからだ
鉄の球のように重い
闇を心臓に飼いながら
馬鹿はどんどん
おかしなものになってゆく
裏切りの十字架に張り付いた
偽物の聖者のように
人々にあがめられながら
魂が死んでゆく