世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

猫女・5

2024-10-21 02:15:51 | 詩集・こどもたちへ

くるぶしまで
濡らしながら
不幸の水の中を
ぼんやりと歩いている

あんなことなど
しなければよかった
あんなことなど

白い猫の
金色の目玉を盗んで
自分の額に
飾ることなど

猫のように
かわいいものになって
みんなに
愛されたかった

何もいいことはしてない
馬鹿でも
みんなに許される
そんなものになりたかった

遠い過去の罪から
流れてくる
不幸の水に浸かりながら
砂のように崩れていく
嘘の家を
ぼんやりと見ている

逃げることはできない
真実の姿が
きのこのように
わたしの肩から
生えてくる




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