Joy Yoga

中東イスラエルでの暮らしの中で、ヨガを通して出会う出来事あるいは想いなど。

時には郷に従わないこともひとつの選択

2010-11-15 22:17:29 | 日記
 ヨガを実践していても、まだまだ未熟な私には心が挫けることがあります。
 先週はまさにそうで、家から一歩も出たくない毎日を過ごしていました。

 このブログでは、ニュースでは報道されないイスラエルのステキな側面を、私なりに描き出せたらいいなと思いながら書いているのですが、このイスラエルという国、お人好しな日本人が暮らしていくには実にタフな国というのが正直なところです。


 この国には譲り合いの精神が未だ根付いていないので、人が集まるところには大抵ひと悶着あります。

 レディーファーストならぬ「セルフファースト精神」とでも言いましょうか。なんでもかんでも「我が先」の姿勢。
 一体何をそんなに急いでいるんだろうかというくらい、とにかく「待つ」という行為に不満を覚える人が多い。そして、その不満を抑えることなく、その場で発散させてしまう人というのがこれまた多い。

 「この国はまるで圧力鍋の中だよ。」
 これは、私が何人ものイスラエル人から耳にした言葉です。

 
 すべての人がそうであるかと問われれば、もちろん答えはNOです。
 温かく大きなハートで丸ごと受け止めてくれる優しい人もたくさんいます。
 
 が、上述のようなギザギザなエネルギーを纏っている人も負けず劣らず多いのは確かです。
 (まぁ、あくまで私の主観によるところではあります。)
 
 
 そんなわけで、普通に暮らしていても一歩外に出れば、このギザギザエネルギーに当たってしまうことが多々あります。

 そして先週は、とあるアクシデントのために私は相当に落ち込みました。
 まともにギザギザエネルギーを受けてしまいました。
 時が経てば、それが些細な出来事であったと思える程度のことですが、その時の私にとっては「少しずつ育んできた自信の芽を無碍に摘み取られてしまった」ように感じられたのです。

 久しぶりに本気で「日本に帰りたい」と切望しました。

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 ちょうど時期を同じくして、私は一冊の本を手にしていました。

 「バガヴァッドギーター」。インドに古くから伝わるヨガ哲学の古典です。
 この書物は「イーシュバラ(全体世界)」の化身と言われていたクリシュナと、優秀な戦士アルジュナとの戦場における対話で成り立っています。

 まだ読んでいる途中ですが、そこに書かれている教えが、傷心の私にはごくごく自然に流れ込み、心の芯を優しく修復してくれているのを感じます。


「真実」を知ること。それによって、
1.自分を満たすものは自分自身であるということが理解でき、
2.身の回りに起きる出来事や結果に心惑わされることなく、いかなる感情や環境からも本当の意味で自由である自分を確立することができる。
3.そのためにまずは、全体世界との調和を重んじながら、自分の行ないをそれに捧げること。

 私のつたない言葉で要約すると、そんなようなことが前半には書かれています。


 痛みのない日々にあっては、この教えは蛇口から流れる飲み水くらいのありがたさにしか感じられなかったかもしれないけれど、今の私にとっては、それはまさに「砂漠の中のオアシス」的な価値を持って語りかけてきます。

 この地で挫けるたびに「もっと強くならねば」と思ってきました。ギザギザエネルギーの彼らと対等に闘えるように。
 けれども、私がなすべきことはそれではないと、今ならはっきり分かります。


 今このタイミングでこの書を読む機会を与えられたことに心から感謝しつつ、また明日からのヨガの練習に心を傾けたいと思います。



 今朝、東の空が白んできた頃。
 植物はすでに「真実」を知っているかのように見える。





ナマステ&シャローム
Nozomi

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (佳代)
2010-11-15 23:48:36
希さん、お久しぶりです☆
どんなことがあったのかわかりませんが、
今は大丈夫でしょうか。
外国で暮らすということは、想像以上にタフなことですよね。
私もアメリカにきて約20か月、何度も泣いて、何度も愚痴をこぼしていますよ。
旦那からは「いい意味でもう少し強くならなければね。」と言われています(笑)この土地のアメリカ人、強いんです、負けそうになります(笑)
そうですよ、時が経てば笑い話になりますよ。
お互いゆるくがんばっていきましょう。
「バガヴァッドギーダー」、いいですね。
私もいつか読もうと思っている本です。
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☆ 佳代さん ☆ (Nozomi)
2010-11-16 00:13:27
お久しぶりです!

ご心配かけます。今は周りに支えられ、いくらか持ち直してきました。

自分の非をうやむやにするために、人は敢えて攻撃的な態度に出ることがあるそうですが、
その理不尽極まりない態度に、私は怒りと同時に大きな憂いを感じました。

佳代さんが住まわれている土地のアメリカ人も強いんですね…。

彼らと対峙するために自分まで同じエネルギーを身に着けなければ生きていけないのかと
かなりうんざりしていましたが、バガヴァッドギーターが救いの手を差し伸べてくれました。

私が読んでいるのはUTL発行の向井田みおさんという方のものです。
解説とか読み方のポイントとかが章ごとに添えてあり、表現も現代的なのでとっつきやすいです。
是非、手に取られてくださいね。

いつかお互いに今の苦労を笑い飛ばせますように。
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