ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

生産者と消費者との信頼関係

2009-02-26 12:47:03 | ときのまにまに
このブログにも時々登場する福島園の福島君が彼のブログ( http://blog.100sho.net/ )で面白いことを書いている。序でに言っておくと、彼自身は自分の職業を「百姓」と言う。わたしもこの「百姓」という言葉が好きである。その福島君が宇根豊氏の著書「国民のための百姓学」を読んで、「食べものの安全性は、そんなに大切なものなのか?」と問いかける。この問いかけにわたしは驚いた。食の安全性に最も意欲的に取り組んでいるはずの彼である。彼の主張を読んで成る程と納得した。
彼も、また宇根氏も言いたいことは次のことのようである。現在の食の安全性の追求の方向性が間違っている。現在では異物の混入や、毒物の検査を強化することが食の安全性であると思い込んでいる。しかし本当に重要なことは生産者と消費者との信頼関係である。「百姓は消費者が引き受けて食べてくれるから、丹精を込めて栽培し、届けようとするのである」。生産者側のこの自覚は尊い。
福島君は言う。「消費者が引き受けて食べてくれる、とは生産者を信頼して、という意味だろうと自分は解釈するのだが、信頼してこそ安全性が確保されるということだろう。つまりチェック体制の強化が安全性の根本的な解決にはならない、信頼関係が一番である。安全性ということにだけフォーカスすると見えなくなる。しかし、消費者が一つ一つの食べものに信頼関係を持つことは困難なのが現状だ」。
先日、彼の家に米を取りに行ったところ今度から米の品種が変わります、と言ってその理由をいろいろ説明してくれた。わたしにとってその説明は不要である。何故なら彼がこれが良いと言えば、その通りだと信頼するからである。家に帰ってその新米を試食したらやっぱり前のより美味しい。
これからの百姓は勉強をしなければならない。品種改良も安全性も、味も、価格も、生産量も、食の問題は持続性の問題でもある。百姓の百には百年の百も含まれている。これからの日本の「農の世界」に福島君のような人物が現れたことを大いに喜び、期待する。

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