ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

おせち料理

2008-01-01 14:03:21 | ときのまにまに
明けましておめでとうございます。今年もブログ「ぶんやさんち」頑張りますので、よろしくお願いいたします。
宗像に来て初めてのお正月ということで、年が明けるまで、おせち料理はどうしようか、雑煮のお餅とか焼鯛とか、去年までとはかなり調子が異なり、戸惑いました。結局、お餅は夢タウン(スーパー)で、数の子は生協でとか、何とか準備ができました。さて、問題は焼鯛です。去年までは大和郡山の中央市場で買っていましたが、さて、どこで買うのが賢いのか、市場調査をいたしましたが、何と不思議なことに、近くの産直市場や大型の食品スーパーでも店先に焼鯛が見あたりません。きっと、大晦日か、その前日ぐらいに出まわるだろうと思っていましたが、とうとう出ませんでした。どうも、ここら辺りではお正月に焼鯛を食卓の中央にでーんと据える週習慣はないようです。これには、いささか驚きました。
さて、我が家のおせち料理に、新入りが登場しました。数の子です。数の子と言えば、ニシンの魚卵、これはおせち料理の定番です。あの黄色に輝き、口に入れると独特の食感、これがないとお正月の気分がしないほどの食品です。もちろん、今年も準備しました。数の子と言えば、あれに決まっています。それは全国的な常識です。
ところが、ところが、ここ宗像では、あの数の子のほかに「鐘崎の数の子」という食べ物があるのです。始めて、聞いたとき、何を言っているのか、言葉が通じませんでした。話し手は、日本人なら誰でも知っているだろうという前提で喋っているのに、こちらはそのイメージが全然つかめないのです。話しが通じるはずがありません。よくよく、聞いてみると、この地方では、これがないとお正月を迎えられないほどの、定番料理で、年の暮れになると、鐘崎漁港の周辺の景色が変わるほどだというのです。なるほど、その数日後、こちらの新聞(朝日新聞)に、堂々と写真入りで、この時期の「風物詩」として紹介されていました。
実は、宗像地方では「鐘崎の数の子」と誇らしげに語り継がれる「ノオサバ」という珍味があります。「ノオサバ」というので、サバの一種、あるいは「サバの卵」のことかと思うとそれが大違い。実は、ホシザメというサメの干物のことです。
鐘崎漁港は、実はあの高級魚「天然トラフグ」水揚げ高全国一の漁港なのです。下関、南風泊市場で取り扱われる(外海物)天然トラフグの実に50%がここで捕られているのです。その天然トラフグを獲るときに、ふぐに混じって網にかかるのが、「醜いホシサメ」で、いわば迷惑なオマケなのです。それが、何時のことからか、干したり、煮たり、鮫皮を削り取ったり、切り刻んだりして、酒と醤油につけ込むと、美味しくなるということを「発明」したのです。このようにして、世界の4番目の「隠れた珍味」が誕生いたしました。
しかし、これはあまりにも美味しすぎるので、ミシェランはもちろんのこと余所者には教えないという不文律のようなものが生まれたのではないかと、余所者のわたしはひねくれて想像しています。
我が家における、今年の正月の最大のニュースは、これがおせち料理に加えられたことです。聞くところによると、
「サメに含まれているコンドロイチンには、肌の若さを保ち動脈硬化の発生・促進を予防する効果があります。さらに干す事によってカルシウムが増えるので、骨や関節の働きを良くし、丈夫な身体を作ります」とのこと、わたしたち二人は今年絶対に若返ること間違いなし。


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